「建物の寿命と人の健康を脅かす」…床下のトラブル
ポイント② 床下の水漏れは大問題
床下の水漏れは、建売住宅のトラブルの代表例のひとつです。家の1階部分には、床下点検口や収納庫がありますので、ここから床下の状況を確認することができます。床下収納庫の場合は、ふたを開けて、はめ込まれている収納庫を外します。特別な工具は必要ありません。
次に、床下を見るのですが、その前にやるべきことがあります。細かいことですが、上着の胸ポケットを確かめておきましょう。床下をのぞき込んだ際に、転げ落ちるようなものは入っていないでしょうか。携帯電話やペンなどは、ポケットから必ず出しておいてください。
それでは、いよいよ床下へ頭を入れてのぞき込んでください。懐中電灯を持参していると、奥まで確認できるのでおすすめです。ここでいちばん多いトラブルが、水漏れです。チェックすべきは、次の点になります。
・床下は、水漏れしていないか
・湿気を感じないか
・カビ臭さを感じないか
建売住宅は、注文住宅にくらべて工期が短く、1棟当たり2カ月程度の突貫工事で建てられている場合が多くあります。突貫工事で建てられることによる弊害は少なくありません。基礎工事の段階で雨が降ると、本来はしっかりと乾燥したことを確認して先に進みますが、工期が限られている場合はそれを待てません。
注文住宅の場合は時間をかけて建てますから、自然に乾燥していく時間がありますが、建売住宅の場合はその時間がないのです。
乾燥を待たずに工事を続行していくと、濡れた基礎の上に家が建つこともあります。基礎のコンクリートに水が残っていないか、または、湿気からカビを発生させていないか、自分の目と鼻をフル稼働させて、確認してください。
実際に私が診断を行った物件でも、床下を開けると水が溜まっていてプールのような状態になっていたことがありました。排水管の接続部がきちんとつながっていなかったのが理由です。ここまでひどい例はめったにありませんが、少しでも漏れていると、じわじわと建物の寿命と私たちの健康に悪い影響を与えていきます。