介護は誰にでもできるがゆえに奥が深い
介護という仕事は、奥が深く難しい。
もっと高い評価を受けてもいいはず
介護とは、素人でも誰にでもできる仕事です。なぜなら、その昔は嫁と呼ばれた多くの人たちが義理の親の介護をしていたからです。私が子供のころはよく近所のおばさん連中が、「うちのおばあさんが頭がボケちゃって困っているのよ。仕方がないから、パートの合間を見て帰ってきては様子を見ているの」とか、「毎日毎日、寝たきりの爺さんのおしめを取り換えるのが大変で。早く死んでくれないかしら。これじゃ、こっちが先に死にそうよ」などと言っていたものです。
しかし、介護は誰にでもできる仕事なので、その分、奥が深いと私は考えています。一般的に考えた場合、資格が存在する仕事は資格を取得すれば仕事に困ることはまずありません。そして、資格さえ持っていれば一定以上の所得が保証されているはずです。医師や弁護士がこれに当たります。
介護の場合も介護福祉士という国家資格があります。そして最近では、介護福祉士の資格は介護職員にとっては必須の資格です。多くの老人ホームでも、正社員の場合は介護福祉士資格の有資格者でなければならないという規定を持っています。
しかし、介護福祉士資格の保有者であっても所得は特別高くはありません。介護職で正社員になりたければ、介護福祉士資格を持っていることが求められていると理解しています。
そして、ここが一番重要な点ですが、介護福祉士資格の保有者が必ずしも優秀な介護職員であるとは言えません。私の周囲にも、介護福祉士資格の保有者よりはるかに優秀で仕事ができる無資格の介護職員がたくさんいます。これは介護の周辺の業界、たとえば医療の世界ではありえない話です。あの人は看護師資格は持っていないけれど優秀な看護師さんですね、なんてことはありえません。