ありがとうを重んじた「某老人ホームが消えた」悲しすぎる理由

もし親を老人ホームに入居させるとして、まず第一歩として何を理解しておけばいいのでしょうか。老人ホームの裏の裏まで知り尽くす第一人者が、親を老人ホームに入れようと思った時に「知っておきたい選び方、探し方」を明らかにします。本連載は小嶋勝利著『親を老人ホームに入れようと思った時に読む本』(海竜社)から一部を抜粋、編集したものです。

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介護職員はあなたの部下ではありません

快適な生活のための心得①
現役時代の活躍、栄光はひけらかすことなかれ

 

多くの入居者、とくに男性入居者が気をつけなければならないことは、老人ホームでは現役時代の自慢話をしてはいけない、ということです。長年、企業戦士として、とくに重要なポストで仕事をしてきた男性は、ついつい過去の栄光にすがろうとしてしまいがちです。

 

老人ホームの場合、介護職員は入居者の「ヒストリー」を把握しています。ホームによって呼び方は違いますが、入居者個人のフェイスシートをあらかじめ作成しています。あなたがどこで生まれ、どのような仕事について、どのようないきさつでホームに入居したのかを承知しています。

 

最悪なのは介護職員を自分の部下のように扱ってしまうことだという。(※写真はイメージです/PIXTA)
最悪なのは介護職員を自分の部下のように扱ってしまうことだという。(※写真はイメージです/PIXTA)

 

したがって、職員に対し自ら過去の栄光を話す必要はありません。黙っていても、介護職員はあなたのケアに必要な情報をとれるよう、あなたの過去の履歴にアクセスしています。とくに男性の入居者の場合は、仕事の話はコミュニケーションを図る上で重要なキーワードであるので、あなたとの会話に必ず盛り込んでくるはずです。

 

もし、あなたが有名企業で活躍していたなら、逆に介護職員に対し“馬鹿な振り”でもしたほうがホーム内での受けはいいはずです。介護職員側からすると「Aさんは、昔あの有名企業B社の専務さんだったんだって。凄いわね。でも、全然威張っていなくて優しいわ。やっぱり偉い人は違うわね」と言うようなことになります。

 

では、一番最悪なことは何なのでしょうか。それは、過去の栄光が忘れられず、老人ホームでも現役時代と同じように、あたかも介護職員を自身の部下のように扱ってしまうことです。

 

介護職員はあなたの部下ではありません。そして、あなたはもう現役を離れて何年もたっているただの高齢者にすぎません。介護職員にとっては、大勢いる入居者の中の一人にすぎないのです。厳しいようですが、これが現実です。この現実をしっかりと受け止めなければならないはずです。

 

快適な生活のための心得② 
話をするのではなく、話は聞いてあげる

 

老人ホームでは、多くの介護職員が働いています。そして、多くの介護職員は、多くのストレスを抱えています。その理由は、入居者がそれぞれ言いたいことを言い、やりたいことをやっているためです。

 

もちろん、それらの多くは認知症をはじめとした高齢者特有の病気に起因しているわけですが、そうは言っても介護職員と言えどもただの人間です。イライラしたりうんざりしたり、「もう、いい加減にしてほしい」と思うことは日常茶飯事です。そのような介護職員にとって、オアシスのような入居者、それが話を聞いてくれる入居者になります。

 

オアシスの入居者の周りには、当然ですが自然と介護職員が集まります。介護職員が集まれば、そこには情報が集まります。情報が集まれば、その情報に対し自分の意見を言うことが可能になり、ホーム運営に対し自分の意見を反映することも可能になります。私の経験で言うと、介護職員は意外と特定の入居者の意見を聞いて、「なるほど」と思ったことは採用しているケースが多いと思います。

株式会社ASFON TRUST NETWORK 常務取締役

(株)ASFON TRUST NETWORK常務取締役。1965年神奈川県生まれ。日本大学卒業後、不動産開発会社勤務を経て日本シルバーサービスに入社。介護付き有料老人ホーム「桜湯園」で介護職、施設長、施設開発企画業務に従事する。2006年に退職後、同社の元社員らと有料老人ホームのコンサルティング会社ASFONを設立。2010年、有料老人ホーム等の紹介センター大手「みんかい」をグループ化し、入居者ニーズに合った老人ホームの紹介に加えて、首都圏を中心に複数のホームで運営コンサルティングを行っている。老人ホームの現状と課題を知り尽くし、数多くの講演を通じて、施設の真の姿を伝え続けている。

著者紹介

連載親を老人ホームに入れようと思った時に「知っておきたい選び方、探し方」

親を老人ホームに入れようと思った時に読む本

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小嶋 勝利

海竜社

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