老人ホーム介護職員が明かす「得する入居者、損する入居者」

もし親を老人ホームに入居させるとして、まず第一歩として何を理解しておけばいいのでしょうか。老人ホームの裏の裏まで知り尽くす第一人者が、親を老人ホームに入れようと思った時に「知っておきたい選び方、探し方」を明らかにします。本連載は小嶋勝利著『親を老人ホームに入れようと思った時に読む本』(海竜社)から一部を抜粋、編集したものです。

【医師限定】節税、開業、資産形成…全部叶える!
資産家ドクターになる「不動産投資」講座 開催中>>

介護職員はなぜレクリエーションが苦手なのか?

介護職員の苦手な仕事とは何か

 

介護職員の多くが苦手としている業務があります。

 

それはレクリエーションです。その前に介護のことをもう少し話をしておきます。

 

ひと口に介護と言っても、大きく分けると介護には自立者向けの介護と要介護者向けの介護の2種類があります。この2種類の介護を一人の介護職員が担うことは難しいと考えるべきです。つまり、自立者に対する介護と要介護者に対する介護とは、まったく違ったスキルが必要だということです。

 

入居者には老人ホームに向いている人と向いていない人がいるという。(※写真はイメージです/PIXTA)
入居者には老人ホームに向いている人と向いていない人がいるという。(※写真はイメージです/PIXTA)

 

多くの人たちは、この2つを大きなくくりで一つの介護として片付けてしまいます。もちろん、一人の介護職員がどちらの介護もできるのが理想です。少なくとも、私が介護職員として現役だった数十年前は、一人の介護職員が両方の仕事をそつなくこなしていました。

 

しかし時代が流れ、現在では専門化が進んでいます。多くの老人ホームでは建物内を3つに分けて、1階は自立フロア、2階は要介護者用フロア、3階は認知症専門フロア、というような運営を目にします。そして、各フロアごとに得意な介護職員を配置していることから、同じホーム内であっても、フロアが違うとまったく別のホームになってしまい入居者の家族から怪訝な顔をされるケースもあるようです。

 

レクリエーションの話に戻します。なぜ、介護職員がレクリエーションが苦手なのかと言うと、レクリエーションのコントロール権を保持できないからです。自立の高齢者の場合、趣味の腕がプロ並みの入居者が多くいるので、多少のレベルでは、けして満足してくれません。書道をしましょうと言うと、元書道の先生だったとか、書道は3段だったというような入居者が老人ホームには掃いて捨てるほどいます。そして、その人たちから、「今度の介護職員さんは、あまり字がうまくないわね」と嫌味を言われてしまいます。かたなしですね。

 

逆に、要介護状態の入居者、とくに認知症の高齢者の場合、字はうまく書けません。ですから、入居者から「あなたは字が下手だ」とは言われませんが、目を離している隙に墨汁を飲んでしまったり、筆を食べてしまう者も出現します。

 

そして何より、介護職員にとってつらいことは、集中力がないのですぐに飽きてしまい、複数の入居者がてんでバラバラなことをし始めてしまうことです。もちろん、もう少し真面目にやってくれ! と言ったところで、わかりました、ということはなく、無視されていきます。このときの虚脱感は経験した者にしかわかりません。いかに自分が認知症の高齢者の前では無力なのかを思い知らされます。

 

【オンライン(LIVE配信)】10/16(土)開催
安易な先延ばしは厳禁!工事費大幅増の危険も
マンション大規模修繕「信頼できる施工会社」の選び方 
詳しくはこちら>>>

株式会社ASFON TRUST NETWORK 常務取締役

(株)ASFON TRUST NETWORK常務取締役。1965年神奈川県生まれ。日本大学卒業後、不動産開発会社勤務を経て日本シルバーサービスに入社。介護付き有料老人ホーム「桜湯園」で介護職、施設長、施設開発企画業務に従事する。2006年に退職後、同社の元社員らと有料老人ホームのコンサルティング会社ASFONを設立。2010年、有料老人ホーム等の紹介センター大手「みんかい」をグループ化し、入居者ニーズに合った老人ホームの紹介に加えて、首都圏を中心に複数のホームで運営コンサルティングを行っている。老人ホームの現状と課題を知り尽くし、数多くの講演を通じて、施設の真の姿を伝え続けている。

著者紹介

連載親を老人ホームに入れようと思った時に「知っておきたい選び方、探し方」

親を老人ホームに入れようと思った時に読む本

親を老人ホームに入れようと思った時に読む本

小嶋 勝利

海竜社

老人ホーム探しの「主役」は、一体誰なのでしょうか?もちろん「入居者」である、と答える方がほとんどではないでしょうか。しかし、多くの場合、とくに要介護高齢者用の老人ホームの場合、主として探しているのは「家族」です…

誰も書かなかった老人ホーム

誰も書かなかった老人ホーム

小嶋 勝利

祥伝社新書

老人ホームに入ったほうがいいのか? 入るとすればどのホームがいいのか? そもそも老人ホームは種類が多すぎてどういう区別なのかわからない。お金をかければかけただけのことはあるのか? 老人ホームに合う人と合わない人が…

老人ホーム リアルな暮らし

老人ホーム リアルな暮らし

小嶋 勝利

祥伝社新書

今や、老人ホームは金持ちが入る特別な存在でななく、誰もが入居する可能性の高い、社会資本です。どうやって老人ホームを選んだらいいのか?それには入居者の生の声を聞くのが一番と、国内最大の老人ホーム紹介センターを経営…

もはや老人はいらない!

もはや老人はいらない!

小嶋 勝利

ビジネス社

コロナより怖い、老人抹殺社会の現実がここに。老人ホームの裏の裏まで知り尽くす第一人者が明かす、驚愕の事実! 日本は世界に先駆けて超高齢化社会と言われています。老人の数は加速度的に増え、このままでいくと日本は老…

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

登録していただいた方の中から
毎日抽選で1名様に人気書籍をプレゼント!