「何か問題でも?」「本当に無理です」迫る老人…唖然の暴挙

もし親を老人ホームに入居させるとして、まず第一歩として何を理解しておけばいいのでしょうか。老人ホームの裏の裏まで知り尽くす第一人者が、親を老人ホームに入れようと思った時に「知っておきたい選び方、探し方」を明らかにします。本連載は小嶋勝利著『親を老人ホームに入れようと思った時に読む本』(海竜社)から一部を抜粋、編集したものです。

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自助とは自分のことはまず自分で解決すること

自助、互助、共助、公助を厳格に運営するだけで職員不足は消滅する

 

心ある人たちは、介護の話をするときに、自助、互助、共助、公助の話をしています。私もこの考えに大賛成です。この4つについての私の考えを記しておきます。

 

まず自助と互助について。

 

自助とは

 

自助とは、自分のことはまず自分で解決することを言います。老人ホームに入居すると、介護職員や看護職員など日々の生活を支援してくれる多職種の人間が多く配置されています。

 

入居者やその家族の中には、彼らをあたかも自分専用の家政婦かお手伝いさんのように扱う人が意外と多くいます。私の体験談をお話しすると、次のような入居者と家族がいました。

 

入居時に介護職員らを呼びつけ、自分たちのマイルールをひととおり説明し、それを確実に履行するように迫る輩が存在します。まず、朝起きたらまずコップ一杯の白湯を飲み、その後、身体を温かいタオルで隅々まで拭き上げ、それから着替え、着替えが終わったら、美容のためにこの乳液とクリームで……。と、この調子で朝から夜寝るまでの間、やることや注意事項が山盛りです。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
入居者やその家族の中には、介護職員をお手伝いさんのように扱う人が意外と多くいるという。(※写真はイメージです/PIXTA)

 

介護職員の気持ちを代弁すると、「他の入居者のケアもあるので、すべてをやるのは無理です」となりますが、このような入居者や家族からすると、「入居前の説明のときに営業担当者から『何でもやります。お任せください』と言われましたが、何か問題でも?」ということになるようです。

 

老人ホーム側も入居者獲得に必死なあまり、営業担当者が営業トークで「何でもできる」「任せてほしい」と言ってしまいます。けっして、よいことではありませんが、私はこの気持ちもよくわかります。しかし、入居者側が冷静に考えてみればわかることではないでしょうか。「何でもできる」わけがありません。

 

そして、介護職員、ホーム長側にも、「罪」があります。それは、介護保険制度にある「自助」の精神を入居者や家族にきちんと説明し、おかしな依頼に対しては「断固拒絶する」ということを言動で明確に示さないことです。ホーム職員だった当時の私は、未熟な介護職員だったので、ただひたすら入居者のニーズに応えることが介護職員の仕事だと思い込み、必死にニーズに応えるためにホーム内を始終走り回っていたものです。

 

しかし、介護はまず「自助」が最優先の取り組みです。自分でできることは自分で解決しなければならないのです。金を払っているのだから、ホーム側にやってもらって当たり前的な発想は絶対にしてはならないNG行為です。なぜなら、介護職員を雇用するための費用のかなりの部分は、公的資金で賄われているものであり、入居者個人の負担だけでは賄いきれていないということを理解する必要があると思います。

株式会社ASFON TRUST NETWORK 常務取締役

(株)ASFON TRUST NETWORK常務取締役。1965年神奈川県生まれ。日本大学卒業後、不動産開発会社勤務を経て日本シルバーサービスに入社。介護付き有料老人ホーム「桜湯園」で介護職、施設長、施設開発企画業務に従事する。2006年に退職後、同社の元社員らと有料老人ホームのコンサルティング会社ASFONを設立。2010年、有料老人ホーム等の紹介センター大手「みんかい」をグループ化し、入居者ニーズに合った老人ホームの紹介に加えて、首都圏を中心に複数のホームで運営コンサルティングを行っている。老人ホームの現状と課題を知り尽くし、数多くの講演を通じて、施設の真の姿を伝え続けている。

著者紹介

連載親を老人ホームに入れようと思った時に「知っておきたい選び方、探し方」

親を老人ホームに入れようと思った時に読む本

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小嶋 勝利

海竜社

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誰も書かなかった老人ホーム

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小嶋 勝利

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老人ホーム リアルな暮らし

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もはや老人はいらない!

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小嶋 勝利

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