経済基盤が安定すると、人は心に余裕を持ち、豊かな人生を送れることを多くの大家を取材して強く感じたという。1万人の大家を取材してきた著者が、サラリーマンの定年後に毎月着実に家賃収入を得ることができる不動産で資産を増やす方法を伝授する。本連載は賃貸不動産オーナー向け経営情報誌「家主と地主」の編集長の永井ゆかり氏の著書『1万人の大家さんの結論!生涯現役で稼ぐ「サラリーマン家主」入門』(プレジデント社)から一部を抜粋、再編集した原稿です。

エリアの入居者ニーズをどう掴めばいいのか

インターネット無料についていえば、今や賃貸入居者の主要ターゲットである若者にとって、水道、ガス、電気に次いで重要なインフラで、個人で契約するとなると、通常4000~5000円ほど必要だ。そのため、インターネット無料となれば、家賃が周辺相場よりも1000円、2000円高くても、個人で契約するより「お得」になる。では、なぜ家主はインターネットを無料で提供できるのか。当然、インターネット使用料は家主が負担している。ただし、家主向けのインターネット料金は個人の料金とは異なる。集合住宅でまとめてその戸数分を契約するため、1戸で契約する個人よりも安く契約できるのだ。

 

契約戸数やプロバイダー会社にもよるが、目安としては月額1戸あたり1000円前後、別途工事費などの初期費用がかかる。初期費用は設備投資費と考えるが、月額使用料は家賃が1500円以上高くできるのであれば、入居者にインターネット使用料無料としても、十分まかなうことができる。入居者がいる部屋では、立ち会い確認などに手間がかかり、なかなか工事が進まないこともあるが、家主にとっても、入居者にとってもメリットがあるサービスであり、インターネット無料物件の付加価値は高い。

 

追いだき機能がファミリー向け物件に人気なのは、やはり生活時間のタイムラグにある。働き盛りの父親が帰ってくる時間が遅いと、子供たちが入浴する時間と間が空いてしまう。熱いお湯を足すことなく、お風呂を温めることができる。

 

また、二人暮らしや子供が1人のファミリーの場合、2日間お湯を入れ替えずに入るケースもある。そのときにも追いだき機能は役に立つ。ガス代はかかるが、水道代の節約という点でメリットが大きい。

 

ただ、新聞で掲載しているこのランキングは、すべてのエリアに通じるものではない。全国各地からニーズを集めて一つのランキングにしているからだ。ランキングの順位は、エリアによっては異なるものもあるだろう。所変われば住まいに対する入居者のニーズも変わる。当然、設備についても変わるものだ。しかし、このランキングが役に立たないわけではない。

 

賢い家主は、何の準備もせずに「このエリアでは、どんな設備があると入居者が決まりやすいのか」などという質問はしない。このランキングを片手に不動産会社を訪問し、「このエリアではどれが上位になるのか」と聞く。不動産会社の担当者も、たたき台となる「週刊全国賃貸住宅新聞」のランキングがあるからこそ、「このエリアは、単身者ならこっちの設備の方がニーズが高いので2位ですね」などと的確なアドバイスができるだろう。

 

良い情報を集めるためには、自ら情報を発信することが重要だ。そのためのツールとしてもこのランキングの利用価値は高い。

 

永井ゆかり
「家主と地主」編集長

 

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1万人の大家さんの結論! 生涯現役で稼ぐ「サラリーマン家主」入門

1万人の大家さんの結論! 生涯現役で稼ぐ「サラリーマン家主」入門

永井 ゆかり

プレジデント社

ひと昔は、大家さんというと「不労所得が得られる」と言われた。現在は人口が減少し、空室は増え、入居者の層も多様化し、世の中が複雑化したことで、大家の経営の難易度は確実に上がっている。しかし、やり方さえ間違わなけれ…

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