経済基盤が安定すると、人は心に余裕を持ち、豊かな人生を送れることを多くの大家を取材して強く感じたという。1万人の大家を取材してきた著者が、サラリーマンの定年後に毎月着実に家賃収入を得ることができる不動産で資産を増やす方法を伝授する。本連載は賃貸不動産オーナー向け経営情報誌「家主と地主」の編集長の永井ゆかり氏の著書『1万人の大家さんの結論!生涯現役で稼ぐ「サラリーマン家主」入門』から一部を抜粋、再編集した原稿です。

「かぼちゃの馬車」を購入決断したセミナーとは

不動産会社主催のセミナーは営業ツールである

 

ここからは、家主業で成功するための秘訣を「ビギナーが知っておくべき『家主業』の極意」を、紹介していこう。私がこれまでに取材した、家主業で成功した実際の家主たちの仕事のやり方、成功談や失敗談など、できるだけ具体的な事例を紹介しながら、「家主業の極意」に迫っていきたい。

 

新しく何かを始めるとき、まずはそのテーマに関する情報を、さまざまな角度から幅広く集めるだろう。情報の集め方次第で結果が大きく変わってくるのが家主業である。今、「不動産投資」に関しては情報があふれているといっても過言ではない。書店に足を運べば、不動産投資専用の書棚はあるし、インターネットで「不動産投資」と入力し検索すれば、もの凄い数のサイトやブログ、動画、SNSのページが出てくる。投資や資産運用の分野で、不動産投資はかなり大きな存在感を示すようになっている。

 

販売業者のセミナーで載せられて、簡単に不動産購入を決断するサラリーマンも。(※写真はイメージです/PIXTA)
販売業者のセミナーで載せられて、簡単に不動産購入を決断するサラリーマンも。(※写真はイメージです/PIXTA)

 

一方で、その情報を一つ一つ見ると、さまざまな投資手法がある。不動産といってもさまざまなタイプがあり、どの不動産をどんな方法で購入したらいいのか、迷ってしまうのではないだろうか。

 

しかし、迷っていても前に進めない。そこでまずは専門家の話を聴こうと考え、収益不動産サイ トの「健美家」や「楽待」に掲載されている不動産投資セミナーに参加して情報を集めるビギナーは多い。セミナーに参加することは確かに情報収集の一つの手段である。ただし気をつけなくてはいけないのは、そのセミナーの多くは不動産販売業者が主催しているということだ。そのことをきちんと理解して参加するのであれば問題はないが、そうでない場合、販売業者の上手なセールストークに乗せられ、不本意な不動産購入をしてしまうケースもある。

 

例えば、本連載でも何度か解説した「かぼちゃの馬車」を購入した家主たち。私は取材で数人に会っているが、彼らの情報収集の方法は、まさに販売業者のセミナーだった。「どこの不動産会社で不動産を購入するのがいいのか」という目線で、情報収集をしていたのだ。

 

基本的に、不動産販売会社は不動産を販売することが商売なので、ネガティブなことは極力説明しない。たとえ説明したとしても、そのネガティブな内容を打ち消すほどのメリットを声高に強調する。ビギナー側も、不動産を購入したくて仕方ないから、その販売会社の営業担当者の話に少し不安を抱きながらも、「不動産は同じものが二つとありません。今、決めないと他の方に紹介してしまいますよ」と発破をかけられると、「それならば」とよく考える間もなく買うことを決断する。

 

そういう人は、実際には1つか2つ程度のセミナーに参加しただけで決めてしまうのだ。多少のリスクがあっても、買いたくて仕方のないビギナーは、販売会社に「大丈夫、あなたなら買えますよ」などと言われると舞い上がってしまうからだろう。

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1万人の大家さんの結論! 生涯現役で稼ぐ「サラリーマン家主」入門

1万人の大家さんの結論! 生涯現役で稼ぐ「サラリーマン家主」入門

永井 ゆかり

プレジデント社

ひと昔は、大家さんというと「不労所得が得られる」と言われた。現在は人口が減少し、空室は増え、入居者の層も多様化し、世の中が複雑化したことで、大家の経営の難易度は確実に上がっている。しかし、やり方さえ間違わなけれ…

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