経済基盤が安定すると、人は心に余裕を持ち、豊かな人生を送れることを多くの大家を取材して強く感じたという。1万人の大家を取材してきた著者が、サラリーマンの定年後に毎月着実に家賃収入を得ることができる不動産で資産を増やす方法を伝授する。本連載は賃貸不動産オーナー向け経営情報誌「家主と地主」の編集長の永井ゆかり氏の著書『1万人の大家さんの結論!生涯現役で稼ぐ「サラリーマン家主」入門』から一部を抜粋、再編集した原稿です。

情報を多方面から集めることの重要性

不動産の世界は金額が高いモノを扱うだけに、玉石混交だ。もちろん良心的な不動産販売会社もある。その良心的な販売会社を見つけ出せないと、せっかく不動産を購入できても後から苦労する羽目になる。

 

永井ゆかり著『1万人の大家さんの結論! 生涯現役で稼ぐ「サラリーマン家主」入門』(プレジデント社)
永井ゆかり著『1万人の大家さんの結論! 生涯現役で稼ぐ「サラリーマン家主」入門』(プレジデント社)

だからこそ情報は多方面から集めることが重要だ。まずは不動産投資と名の付く書籍は片端から読もう。うまくいっている家主たちは基本的に数十冊は読んでいる。これまで取材した家主の中には「読んだ本は100冊を超える」という人もいた。収益不動産を購入するときにどんなことをしたらいいのか、どんなことに注意したらいいのかなどは、先輩たちが経験してきたことや専門家によるアドバイスなどで知ることができる。

 

ただし、不動産投資本もまた、玉石混交であることは留意しておきたい。特に近年は不動産を購 入してまだ5年も経っていないような人が、まるで自分は「成功者」のように本を出版しているケースが目立つ。家主業はたった5年くらいではうまくいったかどうかは正直わからない。むしろ買った当初は儲けやすく、徐々に収入が減り、借り入れの返済が終わったころ、また増えていく傾向にあるのだ。その理由はまた後述するが、家主歴が10年未満の人が書いた本については、参考程度にとどめておいた方が無難だろう。

 

情報収集の方法は、販売業者によるセミナーと書籍ばかりではない。近年全国的に増えている「家主の会」に参加してみるのも有効だ(巻末の「全国の主な家主の会」参照)。「家主の会」とは、家主が主催する家主のための仲間づくりの会であり、弊社が把握しているだけでも全国に100近くある。家主の会の運営方法は大きく分けて2つのタイプがある。定期的に勉強会を開催する会と懇親会のみを行う会だ。

 

「家主の会」を知っていますか?

 

定期的に勉強会をする会の中にも、毎月行っている会もあれば、隔月、年に3、4回など開催頻度はさまざま。講師は、弁護士や税理士、建築士など会のメンバーの顧問先の士業の専門家、自身の賃貸経営を語る家主、新しい商品やサービスの紹介及び市場トレンドなどを不動産業に関連する業者が話すケースもある。最も特徴的なのは、家主自身による講演が多いことだろう。家主自身による成功談や失敗談、自らの経験に基づいた経営姿勢などのリアルな話は大いに刺激になる。勉強会を行う会では、たいてい懇親会も行っている。

 

会に参加し仲間をつくることで、家主同士だからこそ入ってくる情報が得られる。同じ家主として悩みを相談できる人たちもいる。仲間の輪をつくることで、良心的な不動産会社を紹介してくれたり、金融機関を紹介してくれたりもする。こうした家主のネットワークは貴重だ。

 

家主の会では、物件見学会も行われている。物件見学会というと、住宅メーカーや建築会社が、 自社で建てたアパートや賃貸マンションを見込み客に披露し、営業することを目的として行うものが多い。

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1万人の大家さんの結論! 生涯現役で稼ぐ「サラリーマン家主」入門

1万人の大家さんの結論! 生涯現役で稼ぐ「サラリーマン家主」入門

永井 ゆかり

プレジデント社

ひと昔は、大家さんというと「不労所得が得られる」と言われた。現在は人口が減少し、空室は増え、入居者の層も多様化し、世の中が複雑化したことで、大家の経営の難易度は確実に上がっている。しかし、やり方さえ間違わなけれ…

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