フェルメールの代表作「真珠の耳飾りの少女」は、現在も多くの人を魅了しています。しかし、この作品を生んだ17世紀のオランダを理解するには、美術史だけでなく、当時の経済や商業の発展にも目を向ける必要があります。実は、現在の簿記会計で使われている複式簿記は、14~15世紀のイタリアで発展しました。そして、経済の中心がイタリアからオランダへ移っていくなかで、簿記の仕組みも変化していきました。フェルメールが生きた17世紀のオランダは、まさに経済・貿易が大きく発展した時代です。今回は、美術史ではなく簿記の歴史という視点から、「真珠の耳飾りの少女」が描かれた時代のオランダを眺めてみたいと思います。
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「真珠の耳飾りの少女」が描かれた17世紀オランダ
フェルメールの代表作「真珠の耳飾りの少女」は、現在も多くの人を魅了しています。フェルメールについては、美術史や作品の構図、光の表現など、さまざまな角度から語ることができます。しかし今回は、美術史ではなく、簿記の歴史という少し変わった切り口から、この絵画が生まれた17世紀のオランダを眺めてみたいと思います。
実は、簿記の発展は、その時代の経済活動と深く結びついています。経済が発展し、商業活動が活発になれば、取引の数も種類も増えます。誰と、何を、いくらで取引したのか。そして、そこからどれだけの利益が生まれたのか。こうしたことを正確に記録し、財産や経営の状況を把握する必要が生じます。
つまり、簿記は経済活動の発展を映し出す「鏡」のような存在でもあるのです。
フェルメールが生きた17世紀のオランダは、まさに経済が大きく発展した時代でした。そして、その経済的繁栄は、商業だけでなく、簿記や絵画の世界にも影響を与えていったのです。
国際課税研究所首席研究員 博士(会計学)。
中央大学大学院商学研究科修士課程修了。昭和50年東京国税局に勤務、平成2年退職。産能短期大学助教授、日本大学商学部助教授、教授を経て平成14年中央大学商学部教授(平成30年退職)。税務大学校講師、専修大学商学研究科非常勤講師、慶應義塾大学法学研究科非常勤講師、新潟産業大学経済学部非常勤講師、武蔵大学経済学部非常勤講師を歴任。
著書に『国際課税と租税条約』(ぎょうせい、第1回租税資料館賞受賞)、『租税条約の論点』(中央経済社、第26回日本公認会計士協会学術賞)、『移転価格税制の理論』(中央経済社) 、『詳解日米租税条約』(中央経済社)など。
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