2026年7月24日、大規模災害時に首都機能を代替する「副首都」の指定を可能にする副首都法が参議院で可決・成立しました。法案審議では「大阪ありき」との見方もありましたが、成立後には北海道や愛知、福岡など複数の道府県が申請の検討を表明しています。その陰で、地方財政を巡っては、埼玉・千葉・神奈川3県が、東京都と神奈川県(川崎市)の間に生じている「多摩川格差」と同様の行政サービス格差の是正を繰り返し国に求めるなど、税源の偏在是正が大きな焦点となっています。本稿では、副首都法の成立とその余波、「多摩川格差」に象徴される税源偏在是正を巡る知事たちの動き、2027年4月に予定される食料消費税1%への引き下げに伴う地方財政への影響を整理します。
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東京都と周辺自治体で広がる「行政サービス格差」
2026年7月24日、「国家社会機能継続性確保施策及び副首都の整備に係る施策の推進に関する法律」(以下「副首都法」といいます)が参議院本会議で可決・成立しました。同法は、大規模災害に備えて首都中枢機能のバックアップ体制を整備するとともに、人口や経済機能の東京一極集中を是正し、多極分散型の国土形成を目指すものです。
地方財政をめぐっては、東京都と周辺自治体との間で、税収や行政サービスの格差が広がっていることが以前から問題となっています。
2025年8月には、埼玉、千葉、神奈川の3県の知事が、東京都と周辺自治体との間で行政サービスの格差が拡大しているとして、税源の偏在是正などを政府に要望しました。
さらに、内閣が変わった2026年4月13日にも、3県の知事は改めて財務省、総務省に申し入れを行っています。
その背景には、東京都と神奈川県川崎市との間の行政サービスの格差を指す「多摩川格差」などに象徴される問題があります。東京都では豊かな税収を背景に、子育てや教育などの分野で独自の施策を展開できますが、周辺自治体では同様のサービスを提供することが財政的に難しいという状況があります。
国際課税研究所首席研究員 博士(会計学)。
中央大学大学院商学研究科修士課程修了。昭和50年東京国税局に勤務、平成2年退職。産能短期大学助教授、日本大学商学部助教授、教授を経て平成14年中央大学商学部教授(平成30年退職)。税務大学校講師、専修大学商学研究科非常勤講師、慶應義塾大学法学研究科非常勤講師、新潟産業大学経済学部非常勤講師、武蔵大学経済学部非常勤講師を歴任。
著書に『国際課税と租税条約』(ぎょうせい、第1回租税資料館賞受賞)、『租税条約の論点』(中央経済社、第26回日本公認会計士協会学術賞)、『移転価格税制の理論』(中央経済社) 、『詳解日米租税条約』(中央経済社)など。
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