「今週は来ないの?」孫中心になっていた74歳の毎日
「今週の日曜日、そっちに行こうか?」
真理子さん(仮名・74歳)は、娘へ毎週のようにメッセージを送っていました。
夫を6年前に亡くし、現在は一人暮らし。年金は月約22万円、貯蓄は約1,500万円あります。住宅ローンを完済したマンションに住んでおり、生活に大きな不安はありませんでした。
車で40分ほどの場所には、46歳の一人娘と、その夫、中学生の孫娘が暮らしています。
孫が幼かったころは、週末になると娘一家が真理子さんの家を訪れました。娘が仕事で忙しい日は孫を預かり、夕食を作ったり、公園へ連れて行ったりすることもありました。
「小学校低学年くらいまでは、『おばあちゃんの家に行きたい』と言ってくれました。それが本当にうれしかったんです」
誕生日には欲しがっていた玩具を買い、夏休みには旅行にも連れて行きました。孫のためなら多少お金を使っても惜しいとは思わなかったといいます。
しかし、中学生になるころから状況が変わりました。部活動に加えて塾も始まり、休日には友人との予定も入ります。娘から「今週は部活だから」「来週は友達と出かけるみたい」と断られることが増えていきました。
真理子さんは最初、「忙しいなら仕方ない」と思っていました。それでも、日曜日になると家の静けさが気になります。
「今日は来ないの?」
「来月なら空いている日はある?」
娘に予定を尋ねる回数が増えていきました。ある日、娘から少し言いづらそうに告げられます。
「お母さん、あの子ももう中学生だよ。毎週おばあちゃんに会う生活ではなくなるよ」
真理子さんは、その言葉に傷つきました。
「私は邪魔なの?」
そう聞くと、娘は慌てて否定しました。
「そうじゃない。でも、お母さんが毎週予定を聞いてくるから、断るたびに悪いことをしているみたいになるの」
そこで初めて、自分の「会いたい」という気持ちが、娘にとって負担になっていたことに気づいたといいます。
内閣府『令和7年版高齢社会白書』によると、65歳以上で何らかの社会活動に参加した人のうち、生きがいを「十分感じている」「多少感じている」と回答した割合は84.6%で、活動に参加していない人より23.0ポイント高くなっています。高齢期の生活では、家族との交流だけでなく、複数の居場所やつながりを持つことも暮らしの充実につながります。
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