「紙なら課税、電子なら非課税」…なぜ「紙の契約書」に印紙税がかかるのか?電子契約の時代にも残る「文書課税」の根拠

「紙なら課税、電子なら非課税」…なぜ「紙の契約書」に印紙税がかかるのか?電子契約の時代にも残る「文書課税」の根拠
(※写真はイメージです/PIXTA)

契約書などを作成すると、なぜ印紙税を納めなければならないのでしょうか。印紙税は、経済取引に伴って作成される文書に着目して課税する「流通税」の一つです。その起源は古く、英国では17世紀に戦費調達を目的として導入され、日本でも明治時代から続いています。一方、電子契約の普及によって、紙の契約書を作成しなければ印紙税がかからないという課税上の違いも生じています。印紙税はなぜ存在し、電子化が進む現在も残り続けているのでしょうか。その課税根拠と制度の考え方を見ていきます。

 ゴールドオンライン新書最新刊、Amazonにて好評発売中! 

父が溶かした退職金【上巻】・【下巻】
小林篤典(著)+ゴールドオンライン(編集)

シリーズ既刊本も好評発売中 → 紹介ページはコチラ!

印紙税の起源は戦費調達

税金の種類を分類すると、①所得に課税する所得税・法人税、②資産に課税する相続税・固定資産税、③消費に課税する消費税のほかに、④利益や資産の有無にかかわらず、一定の取引や行為などに対して課税する「流通税」に分けることができます。

 

流通税には国税と地方税があり、国税としては登録免許税、印紙税、自動車重量税など、地方税としては不動産取得税などがあります。本稿のテーマである印紙税は、流通税に分類される国税です。令和7年度予算における流通税の税収は、約1兆3,000億円となっています。

 

印紙税の起源は、英国における1694年の制度に求められます。当時は英仏戦争の戦費を調達することが目的でした。英国以前にも、複式簿記発祥の地とされるベニス(1604年)や、その後のオランダ、フランスなどに同様の制度があったとする説があります。

 

いずれにしても、印紙税の歴史は古いものです。ちなみに、最初の所得税法は1799年、ナポレオン戦争の戦費調達を目的として英国で導入されたとされています。こうした点からも、近代的な租税制度の形成には、戦費の調達が大きく関係していたことが分かります。

 

日本では、明治6年に地租改正が行われましたが、同じ年に「受取諸証文印紙貼付用心得方規則」が制定されています。農業などの土地所有者と、商工業者との間の税負担のバランスを図ることも、印紙税導入の背景にあったとされています。

 

その後、明治32年に印紙税法が成立し、現在につながる印紙税制度が整備されました。

 

次ページ印紙税はなぜ課税されるのか

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧