「紙なら課税、電子なら非課税」…なぜ「紙の契約書」に印紙税がかかるのか?電子契約の時代にも残る「文書課税」の根拠

「紙なら課税、電子なら非課税」…なぜ「紙の契約書」に印紙税がかかるのか?電子契約の時代にも残る「文書課税」の根拠
(※写真はイメージです/PIXTA)

契約書などを作成すると、なぜ印紙税を納めなければならないのでしょうか。印紙税は、経済取引に伴って作成される文書に着目して課税する「流通税」の一つです。その起源は古く、英国では17世紀に戦費調達を目的として導入され、日本でも明治時代から続いています。一方、電子契約の普及によって、紙の契約書を作成しなければ印紙税がかからないという課税上の違いも生じています。印紙税はなぜ存在し、電子化が進む現在も残り続けているのでしょうか。その課税根拠と制度の考え方を見ていきます。

電子契約なら印紙税がかからない?

現在では、EDI(Electronic Data Interchange)などを利用して、企業間の契約書、納品書などを電子データとして交換することが一般的になっています。

 

では、紙の契約書を電子データに置き換えた場合、印紙税はどうなるのでしょうか。

 

この問題については、第162回国会参議院質問主意書第9号に対する内閣総理大臣答弁書において、当時の小泉総理大臣が答弁しています。

 

答弁では、事務処理の機械化や電子商取引の進展によってペーパーレス化が進んでいることを踏まえ、「文書課税である印紙税においては、電磁的記録により作成されたものについて課税されない」ことを認めています。

 

一方で、印紙税については、経済取引に伴って作成される文書の背後に経済的利益があると推定されること、また、文書を作成することで取引事実が明確になり、法律関係が安定化することに着目して、広範な文書に軽度の負担を求める「文書課税」であると説明しています。

 

さらに、電磁的記録については、一般に改ざんや、その改ざんの痕跡を消去することが文書に比べて容易な場合が多いという特性があるため、当時の時点では、電磁的記録が一律に文書と同程度に法律関係の安定化に寄与できる状況にはないとの考え方が示されました。

 

そのうえで政府は、ペーパーレス化の普及状況や技術の進展を注視しながら、課税の適正化や公平化の観点から、必要に応じて対応を検討するとしています。

次ページペーパーレス化で印紙税はなくなるのか

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧