(※写真はイメージです/PIXTA)

がんや心疾患の治療では、医療費が100万円を超えることも珍しくない。自己負担を一定水準に抑える「高額療養費制度」が、多くの人の家計を支えている。その制度が2026年8月1日から見直された。医療費増加を背景に自己負担限度額が引き上げられる一方、長期治療者への配慮として「年間上限」が新設されるなど、大きな改正となった。家計への影響も気になるところだ。「自分の負担はどう変わるのか」――。制度改正のポイントをわかりやすく解説する。※本連載は、THE GOLD ONLINE編集部ニュース取材班が担当する。

民間の医療保険は不要になるのか

高額療養費制度があることから、「民間の医療保険は必要ない」という意見を耳にすることがある。

 

確かに、日本の公的医療保険制度は世界的に見ても充実しており、高額療養費制度はその大きな柱となっている。

 

しかし、この制度はあくまで保険診療にかかる自己負担額を軽減する制度であり、差額ベッド代や先進医療、通院交通費、介護費用、治療中の生活費などは対象外だ。

 

さらに今回の制度改正により、一部の所得層では自己負担限度額が引き上げられたことで、公的保障だけではカバーしきれない部分について備えを考える必要性は、これまで以上に高まる可能性がある。

 

一方で、高額療養費制度があるからといって、公的保障だけで十分とは言い切れない。山本氏は、公的保障の内容を理解したうえで、不足する部分を備えることが重要だと話す。

 

「医療費だけでなく、病気で働けなくなった場合の収入減少や、保険診療の対象外となる費用まで考える必要があります。会社員であれば傷病手当金などの公的保障を利用できる場合がありますが、自営業者では制度が異なることもあります。まずは自分が利用できる公的保障を確認し、不足する部分を預貯金や民間保険で補うという視点が大切です」

 

もっとも、必要な保障額は年齢や家族構成、勤務先の福利厚生、資産状況などによって大きく異なる。「医療保険は必ず必要」「不要」と一律に考えるのではなく、自身のライフプランや家計の状況に合わせて保障内容を見直すことが重要だろう。

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