(※写真はイメージです/PIXTA)

がんや心疾患の治療では、医療費が100万円を超えることも珍しくない。自己負担を一定水準に抑える「高額療養費制度」が、多くの人の家計を支えている。その制度が2026年8月1日から見直された。医療費増加を背景に自己負担限度額が引き上げられる一方、長期治療者への配慮として「年間上限」が新設されるなど、大きな改正となった。家計への影響も気になるところだ。「自分の負担はどう変わるのか」――。制度改正のポイントをわかりやすく解説する。※本連載は、THE GOLD ONLINE編集部ニュース取材班が担当する。

「年間上限」の新設で何が変わるのか

今回の制度改正で新設されたのが、「年間上限」の導入だ。

 

これまでの高額療養費制度は、1カ月ごとの自己負担額に上限を設ける仕組みだった。そのため、毎月高額な医療費が発生する患者は、その都度、自己負担限度額まで支払う必要があった。

 

例えば、抗がん剤治療や指定難病の治療、人工透析などでは、治療が1か月で終わることは少なく、何カ月、あるいは何年にもわたり高額な医療費が続くケースが珍しくない。

 

こうした患者にとっては、毎月の負担は抑えられていても、年間で見ると自己負担額が数十万円規模になることもあり、家計への負担は決して小さくなかった。

 

そこで今回の見直しでは、長期間にわたり高額療養費制度を利用する患者について、年間を通じた自己負担にも上限を設ける仕組みが新たに導入された。一定期間にわたって高額療養費制度を利用する患者については、年間の自己負担額が一定額を超えないよう調整されることになる。

 

制度を維持するために、負担能力のある人には一定の負担増を求める一方で、長期間にわたって治療を続ける患者については過度な負担とならないよう配慮した点が、今回の改正の大きな特徴といえるだろう。

 

前出の山本氏は、「今回導入された年間上限は、長期療養者にとって非常に意義のある見直しである」と指摘する。

 

「がんや指定難病、人工透析などでは、治療が数か月から数年に及ぶことも少なくありません。月ごとの自己負担に上限があっても、年間では家計に大きな影響が生じるケースがあります。年間上限が設けられたことで、長期的な治療を続ける患者やその家族にとって、将来の医療費を見通しやすくなる効果も期待できます」

次ページ「多数回該当」は引き続き利用できる

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録