8月4日~8月10日の「FX投資戦略」ポイント
<ポイント>
・7月の米ドル/円は2024年7月の円安値を更新したものの、月末に介入再開で円高へ急転換。
・日本の財政規律への懸念が払拭されないなか、円安の流れは変わらないとの見方も強いが、投機筋の円売りポジションの損失拡大の可能性が浮上、その損切りの円買いが円高を後押しする可能性もあり。
・後者の可能性に注目し、8月の米ドル/円は「150~160円」と予想(第1週予想は文末を参照のこと)。
7月の振り返り…“歴史的円安”更新も、介入再開で円高へ急転換
7月の米ドル/円は上昇基調が続き、2024年7月に記録した高値である1ドル=161.9円を超えると、164円目前まで上昇しました。その過程では、高市政権の経済財政運営と改革の基本方針である「骨太の方針」を巡る財政規律への懸念などが、円売り材料として意識されました(図表1参照)。
しかし、月末に日本の通貨当局はゴールデンウィーク以来となる約3ヵ月ぶりの米ドル売り・円買い介入を再開。30日、31日と2営業日連続で介入が行われたとみられ、米ドル/円は157円台まで急落しました。
3ヵ月近く介入を見送ったのはなぜか?
当局は4月末、米ドル高・円安が160円を突破した局面で、2024年7月以来となる米ドル売り・円買い介入を断続的に11兆円規模で実施しました。ただその後は、160円を大きく超えて米ドル高・円安が広がるなかでも、介入は見送られてきたとみられます。
この背景には、米利上げ観測が広がる一方で日本では「骨太の方針」を巡る財政規律への懸念が続くなど、米ドル買い・円売りに反応しやすい状況が続いていたことが挙げられます。こうした状況では、円高方向への反転を狙う為替介入は効果が出にくいと判断したと考えられます(図表2参照)。
介入再開のきっかけは当面の米ドル買い・円売り要因出尽くしとの判断か
こうしたなか、前回の介入から3ヵ月近くが経過し、介入により「時間を稼ぐ」(円安進行のペースを遅らせる)効果も一巡してきました。
また、160円を超えた局面では介入に動きながら、次の節目である165円に迫るなかで介入を行わないのは、片山財務大臣らが繰り返してきた「適切に対応するという姿勢に変わりはない」との発言とも矛盾します。こうした点から、当局は介入再開のタイミングを探っていたのではないでしょうか。
結果として、FOMC(米連邦公開市場委員会)が終了したことに加え、財政規律への懸念材料とされてきた消費税減税について、高市総理がこの日「公約通りに実施する」と明言したことで、当面の米ドル買い・円売り要因が出尽くしたと判断し、30日に介入再開に踏み切ったのではないでしょうか。


