8月11日~8月17日の「FX投資戦略」ポイント
<ポイント>
・日米協調介入を受けて一時155円台まで円高に。その後158円台まで円安に戻したが、「NFPショック」で米ドル安・円高へ反転。
・協調介入でも、日本の財政懸念が続くなかでは円安の流れは変わらないとの声は根強い。ただテクニカル的には、ヘッジファンドの損益分岐点である120日MAの159円半ばを超えなければ米ドル/円の上値も重いのではないか。
・今週の米ドル/円は「155~159.5円」と予想。
協調介入で一時155円台まで円高も、その後158円まで戻した先週
先週の米ドル/円は、週初に日米の通貨当局が円買いの協調介入を実施したことが確認され、「今後も必要なら躊躇なく対応する」と述べたことを受け、追加の米ドル売り・円買い介入が行われた可能性もあったことから、155円台まで円高が進みました(図表1参照)。
その後はジリジリと158円台まで米ドル高・円安に戻す展開となったものの、金曜日に発表された米7月雇用統計で、NFP(非農業部門雇用者数)が予想を大きく下回り、前月比2万人減という「NFPショック」となったことから米利上げ観測が後退すると、米ドル/円も一時156円台後半まで下落しました。
投機筋の円売りポジションが急減…円高を後押しした介入以外の要因
日本の通貨当局は、7月30日から米ドル売り・円買いの為替介入を再開し、その後も断続的に介入を実施したとみられます。加えて、米当局もユーロ売り・円買いで市場に介入。円買いの「日米協調介入」が行われたのは1998年6月以来のことです。こうした動きを受け、米ドル/円は163円台から先週は155円台まで大きく米ドル安・円高に戻すところとなりました。
為替介入以外にこの円高を後押しした要因としては、投機筋の円売りポジション処分に伴う円買い戻しの動きがあったとみられます。
CFTC(米商品先物取引委員会)統計の投機筋の円ポジションは、介入再開前は売り越し(米ドル買い越し)が過去最高の18万枚に迫る16万枚まで拡大していましたが、4日時点では4万枚まで、一気に4分の1に縮小しました(図表2参照)。
介入を受けた急激な円高による円売りポジションの損失拡大を避けるため、投機筋が円買い戻しを急いだことが、当局の介入による円買いと相まって、一時155円台までの米ドル安・円高の動きを後押ししたと考えられます。
消費税減税で円安再燃…高市総理が円安阻止の“障害”という構図に
ただ、155円台で円高が一段落すると、その後は一時158円台まで米ドル高・円安に戻すところとなりました。ここで相場の手掛かりのひとつとなったのが、与党・自民党による消費税減税の決定を受けて、財政規律への懸念が再燃したことです。
これを受けて、日本の長期金利である10年債利回りは一時2.8%まで上昇し、円売りが再燃する要因になったとみられます(図表3参照)。
以上のようにみると、日米協調介入によって円高へ反転させたものの、その効果が高市総理による消費税減税決定によって円安方向へ押し戻されたともいえそうです。客観的にみれば、結果として高市総理が円安阻止の“障害”になったという、やや皮肉な構図がみえてくるのではないでしょうか。



