首相が表明した「食料品の消費税1%」…地方税収はどうなる? 知っておきたい地方消費税と1.6兆円減収の仕組み

首相が表明した「食料品の消費税1%」…地方税収はどうなる? 知っておきたい地方消費税と1.6兆円減収の仕組み
(※写真はイメージです/PIXTA)

物価高対策として、首相は食料品の消費税率を現行の軽減税率8%から1%へ引き下げる方針を表明しました。一方で、全国の知事からは地方税収の減少を懸念する声が上がっています。林総務大臣は地方消費税の減収額が約1.6兆円に上るとの見通しを示しましたが、なぜ食料品の減税が地方財政にこれほど大きな影響を及ぼすのでしょうか。消費税の配分の仕組みから、その理由を読み解きます。

地方消費税はなぜ「1%」と「1.2%」に分かれているのか

現在の地方消費税率は2.2%ですが、法律上は「従来分」と「税率引上げ分」の二つに区分されています。

 

その理由を理解するには、地方消費税の歴史を振り返る必要があります。

 

消費税が導入されたのは平成元年(1989年)ですが、この時点では地方消費税という制度は存在していませんでした。地方消費税が創設されたのは平成9年(1997年)4月で、税率換算では1%でした。この1%が現在も「従来分」と呼ばれています。

 

その後、消費税率の引き上げに伴い地方消費税も拡充され、現在は2.2%となりました。このうち、創設当初からの1%を除いた残り1.2%が「税率引上げ分」です。

 

地方消費税がこのように区分されている理由は、それぞれ使途が異なるためです。

 

「従来分」の1%は、都道府県や市町村が幅広い行政サービスに活用できる一般財源です。

 

一方、「税率引上げ分」の1.2%は、年金、医療、介護、少子化対策という「社会保障4経費」の財源として充てることが法律で定められています。

 

つまり、地方消費税は単なる地方税ではなく、地方自治体が社会保障サービスを維持するための重要な財源でもあるのです。

 

このため、食料品の消費税率引き下げによって地方消費税収が減少すれば、地方自治体は税収減だけでなく、社会保障財源の確保という課題にも直面することになります。

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