2026年9月から本格稼働…国税庁のAIシステム「KSK2」で税務調査はどう変わるのか【税理士が「AI」に狙われやすい会社の特徴を暴露】

2026年9月から本格稼働…国税庁のAIシステム「KSK2」で税務調査はどう変わるのか【税理士が「AI」に狙われやすい会社の特徴を暴露】
(※写真はイメージです/PIXTA)

これまで税務調査の「調査先選び」は、調査官の経験や勘に大きく依存している部分がありました。この点、AI(人工知能)を搭載した新システム「KSK2」が本格導入により、今年からその仕組みが大きく変わろうとしています。本記事では、AI導入によって税務調査がどう変わるのか、AIに狙われやすい企業の特徴と事前に調査リスクを下げるための具体的な対策について、税理士法人グランサーズ共同代表の黒瀧泰介氏が解説します。

AI時代の税務調査リスクを下げる3つの対策

1.「書面添付制度」の活用

このようなAI監視時代においては、AIの特性を逆手に取った対策が必要です。調査リスクを下げるための最も有効な防衛策の一つが「書面添付制度(税理士法第33条の2)」の活用です。

 

これは簡単にいえば、税理士による「品質保証書」のようなものです。税理士が決算書と申告書を提出する際に、「どのような項目を重点的にチェックしたか」「数字が大きく変動している理由はなにか」を記載した書類を添付する制度です。

 

AIは理由のわからない異常値を無機質に検知しますが、事前にこの書面で正当な理由が明記されていれば、異常ではなく理由のある数値として処理される可能性が高まります。

 

さらに、書面添付を行った場合、税務署は実地調査に入る前に、まず担当税理士に対して「意見聴取」を行う法的な義務が生じます。この意見聴取の段階で税務署側の疑問点が解消されれば、実地調査そのものが省略されるケースも存在し、企業にとって極めて大きなメリットとなります。

 

2.「法人事業概況説明書」の活用

また、「法人事業概況説明書」も積極的な活用するといいでしょう。これは、決算書の表紙やサマリーのような書類なのですが、多くの企業がこの書類の「摘要欄」や「営業成績の概要欄」を空白のまま提出しています。これは非常にもったいない対応です。

 

たとえば、「主要取引先との契約終了により、当期は売上が減少した」「新規事業の設備投資により利益率が一時的に低下した」など、数値変動の背景を具体的にテキストで記載しておくことで、AIに問題と判断されにくくなります。

 

最新のAIは自然言語処理能力も備えているため、テキストデータを読み込み、異常値の背景にある事情を理解します。聞かれてから答えるのではなく、聞かれる前に先手を打つことが重要です。

 

3.経理のデジタル化

調査官がタブレットを駆使して税務調査を行う以上、迎え撃つ我々企業側もデジタルで対応できる体制を整えておきましょう。電子帳簿保存法の要件を満たしたうえで、質問された経費の証拠データを即座に検索し提示できるよう整えることで、調査官に怪しまれるリスクを大幅に軽減できます。

次ページ“先手を打つ”ことで、AIにとっても「優良な納税者」に

※本記事は、YouTube『社長の資産防衛チャンネル【税理士&経営者】』より動画を一部抜粋・再編集したものです。

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