新車購入における減価償却費の計算ルール
会社の車を購入する際、新車を選ぶことは税務上の経費化スピードという観点からは有利ではありません。法人が事業用に取得した車は固定資産に該当するため、購入した年度に全額を一括で経費処理することはできず、法定耐用年数に応じて数年かけて分割して経費化する減価償却を行う必要があるからです。
新車の場合、普通自動車の法定耐用年数は6年と定められています。毎年残っている価値に一定の率をかけて経費を計算する「定率法」を適用した場合、初年度の償却率は0.333となります。
仮に1,000万円の新車を期首に一括購入した場合、1年目に経費にできるのは約333万円に留まり、残りの約667万円は翌年以降に持ち越されます。これでは、手元から1,000万円という多額の現金が流出しているにもかかわらず、その期に出ている大きな利益を十分に圧縮して法人税を減らす効果としては不十分です。
“4年落ち”中古車を活用…「初年度100%経費化」の仕組み
今期の利益を大きく圧縮するために効果的なのが、「4年落ちの中古車」を購入する手法です。厳密には、3年10ヵ月以上が経過している中古車を指します。
中古の資産を取得した場合、新車とは異なる耐用年数の短縮計算ルールが適用されます。3年10ヵ月以上を経過した中古の普通自動車であれば、税務上の耐用年数はたったの2年に縮まります。
耐用年数が2年となる場合の定率法の償却率は「1(100%)」と定められています。これにより、事業年度の最初の月に購入して使い始めれば、購入費用の全額を初年度に経費として計上することが認められます。
たとえば、期首に1,000万円で4年落ちの中古車を購入した場合、その期に1,000万円を丸ごと全額減価償却費として経費に計上できます。法人の実効税率を約30%と仮定すると、1,000万円の経費を作ったことで本来支払うはずだった法人税が約300万円安くなります。
実質的な購入コストを約700万円に抑えつつ、大きな利益を一度に消し去ることができるのです。
