(※写真はイメージです/PIXTA)

税務調査において、経営者のスマートフォンは帳簿だけではわからない事実を確認するための調査対象となっています。提示の拒否は原則として認められませんが、プライバシーの保護や不当な調査を防ぐための正しい対応方法が存在します。本記事では、税務調査においてスマートフォン内のどのデータが狙われるのか、意図的なデータ消去が招く重加算税リスク、そして合法的な対応手順と事前の防衛策について、税理士法人グランサーズ共同代表の黒瀧泰介氏が解説します。

税務調査での「正しい提示手順」と「事前の防衛策」

実際の調査現場でスマートフォンの提示を求められた際は、協力的な姿勢を示すことが重要です。頑なに拒否を続ければ、「何か隠しているのではないか」と疑念を持たれ、調査が長引くだけです。

 

しかし、スマートフォンを調査官に直接手渡しして自由に操作させることは推奨されません。関係ないアプリの通知やプライベートな画像が、意図せず目に入るリスクがあるためです。

 

正しい対応手順は、経営者自身がスマートフォンを手に持ち、指定された日付や取引先とのトーク画面など、必要な箇所のみを提示することです。

 

「この端末には家族のプライベートな情報も含まれているため、業務に関連する部分のみを開示する」と明確に伝えれば、調査官が無理やり奪い取るようなことはありません。また、職務権限の範囲を熟知している税理士を立ち会わせ、不当な要求を法的な根拠に基づいて防いでもらうのが安全です。

 

最も確実な事前対策は、業務用と個人用のスマートフォン端末を物理的に分けることです。端末を分けるのがコストや手間の面で難しい場合は、業務用の連絡にはChatworkやSlackなどのビジネス用チャットツールを使用し、個人のメッセージアプリと混同しないよう運用することが推奨されます。

 

また、親しい間柄であっても、ビジネスの連絡においては冗談でも脱税を疑われるような表現を避け、客観的な証拠を残す習慣をつけることが重要です。

会社の資産と信用を守るための「通信手段の分離」

税務調査におけるスマートフォンの確認は、適正な申告が行われているかを裏付けるための重要なプロセスです。質問検査権の範囲を正しく理解し、データの隠蔽といった重加算税リスクを伴う行為は絶対に避けるべきです。

 

業務用と個人用の通信手段を明確に分離し、日常業務から客観的な証拠を残す習慣をつけることが、法人の資産と信用を防衛するための確実な手段となります。
 

<<社長の資産防衛チャンネル【税理士&経営者】の全編動画はコチラ>>

 

 

黒瀧 泰介

税理士法人グランサーズ共同代表/公認会計士・税理士

 

※本記事は、YouTube『社長の資産防衛チャンネル【税理士&経営者】』より動画を一部抜粋・再編集したものです。

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