必要に応じて「飲みニケーション」も必要…金融機関にも仲介業にもできない、「事業承継支援者」に求められる“ソフトな伴走力”とは

必要に応じて「飲みニケーション」も必要…金融機関にも仲介業にもできない、「事業承継支援者」に求められる“ソフトな伴走力”とは
(※画像はイメージです/PIXTA)

高齢化や後継者不足を背景に、日本では「廃業」を選ぶ企業が増えています。「廃業」にはネガティブな印象を持つ人も多いと思いますが、必ずしも「悪」ではありません。事業承継の現場では、将来性や業界構造を踏まえ、あえて廃業を選ぶことが合理的な場合もあります。本稿では、「事業承継支援者」へ向けて、事業承継支援者に求められる役割を整理して解説します。

「廃業」=すべてを無にすること、ではない

「廃業」という言葉にはネガティブな響きがあります。しかし、支援者としては、この認識を改める必要があるでしょう。

 

廃業とは、「事業を継続しないこと」、つまり、これまで利益を生み出してきた経営資源の組み合わせを解体することに過ぎません。ここで回避すべきは、廃業そのものではなく、「価値ある経営資源が消滅してしまうこと」です。

 

「経営資源の引き継ぎ」という選択肢も

たとえば、家具店が閉店する場合、店舗や在庫をそのまま廃棄してしまえば社会的損失になります。しかし、顧客リストや従業員、あるいは店舗物件だけでも他社へ引き継ぐことができれば、それは立派な「経営資源引き継ぎ」です。

 

事業を法人という「箱」ごと承継する必要はありません。特に従業員承継や第三者承継の場合、簿外債務のリスクや不要な資産(投資用不動産や過剰な内部留保)まで抱え込んでしまっては、後継者にとって大きな負担となります。

 

そのため、支援者としては承継前に不要資産を個人へ移転させたり、必要な事業だけを切り出して譲渡(事業譲渡)したりするスキームを提案・支援することが求められます。

 

日本経済全体でみれば、小規模事業者が乱立している状態よりも、経営資源が集約され、事業規模が拡大するほうが生産性は高まります。たとえば、従業員10人の会社が3社あるよりも、1社に統合されて30人規模になったほうが、間接コストの削減や営業効率の向上によって生産性は確実に上がります。その原資によって、賃上げやDX投資も可能になるでしょう。

 

支援者は、単に企業の存続を願うだけでなく、時としてM&Aや経営資源の引き継ぎを通じて、業界全体の再編と生産性向上を後押しする必要があるのです。

 

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