調査官「SNS見てますよ」の真意…“雑談”に要注意
最初の挨拶のあと、午前中いっぱいは“雑談”の時間です。これを「概況聴取」といいます。この雑談で、経営者の人となりや交友関係、取引先、事業の様子などを探っていくのです。
腕がある調査官は親しみやすい雰囲気で接してきますが、ここに注意してください。つい乗せられてペラペラ喋ってしまうと、高い確率で墓穴を掘ってしまいます。
たとえば、世間話のように「社長、ゴルフやるんですか?」と聞いてきて、「趣味なんですよ」とポロッと答えてしまうと、帳簿に「交際費」としてゴルフのプレー代がたくさん計上されている場合、疑いの目が強くなります。
また、「SNS」にも注意が必要です。最近では、「(会社や社長の)SNS見てますよ」などと言われるケースも少なくないようです。
SNSに高級車や高級時計、派手な夜遊びなど羽振りのよさそうな写真を投稿していると、目をつけられやすいでしょう。税務調査官はSNSにいたるまで、入念な下調べを行っています。
午後からの動き…調査と現物確認
13時ごろから、いよいよ本格的に調査開始です。
まずは帳簿や請求書を見て、計上金額に誤りがないか確認します。この際、上司への報告用にたくさんコピーをとることが多いです。なかには、付箋をたくさん貼り、経営者や経理にコピーを依頼してくるケースもあります。
帳簿調査が終わると、続いては現物確認です。具体的には、パソコンやオフィスの備品、自動車、土地、建物などといった減価償却資産や固定資産を確認します。
1日目の調査終了
調査はだいたい16時ごろに終了します。調査官は17時までに税務署に戻り、報告書を作成する必要があるためです。
終了前に経営者・税理士・調査官でその日の総括をし、場合によっては「翌日までに資料を準備しておいてほしい」といった“宿題”が出る場合もあります。そして経営者は、調査官が帰ったあと、顧問税理士と翌日の対応を相談します。
規模が小さい会社は1日で終了することもありますが、税務調査は2~3日かかることが一般的です。
2日目以降は、10時に到着後、雑談なしでしっかり調査されることが多いです。
追徴課税
最終日の調査終了後、総括としていくつか指摘事項が挙げられます。
「追徴課税」があった場合も、その日のうちに決まるわけではなく、後日電話や書類で説明する機会があるため、結果が出るのはおよそ1ヵ月後です。
結果に納得した場合は「修正申告書」を提出し、結果に納得しなかった場合には「不服審査の申し立て」を行い、最終的に裁判で決着をつけることになります。
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