車もスマホも“実質タダ”に!?…支給額は「最大600万円」今すぐ申請したい〈助成金〉の正体【税理士が紹介】

車もスマホも“実質タダ”に!?…支給額は「最大600万円」今すぐ申請したい〈助成金〉の正体【税理士が紹介】
(※写真はイメージです/PIXTA)

物価高騰や人手不足に悩む中小企業にとって、業務改善と賃上げの両立は至難の業です。しかし、国の助成金を活用すれば、従業員の賃上げを実現するとともに、最大600万円の補助を受けながら、スマホやタブレット、福祉車両まで導入可能だそう。そんな、知らないともったいない助成金について、仕組みと受給要件、申請時の注意点をみていきましょう。税理士法人グランサーズ共同代表で公認会計士・税理士の黒瀧泰介氏が解説します。

助成金でスマホやタブレットをお得に購入

最近、業務でスマホやタブレットを使う機会が増えていますが、まとまった数を導入しようとすると結構な金額になります。

 

特に、アプリを使う仕事では容量も必要になるため、金額を抑えるのが難しくなっている印象です。

 

そんなときに使えるのが「業務改善助成金」です。この助成金を使うと、スマホ、タブレット、パソコンなどをかなりお得に購入できます。

 

「業務改善助成金」とは

業務改善助成金は、中小企業や小規模事業者の業務改善を応援する目的で作られた助成金です。

 

事業場内最低賃金(職場でもっとも低い賃金)を一定額以上引き上げることで、生産性向上につながる設備投資などを行った費用の一部を助成金として受け取ることができます。つまり、最低賃金の引き上げと引き換えに、設備投資への支援を受けられる仕組みです。

 

賃上げも設備投資も、経営者にとっては負担になるため、片方を補助するという発想です。

 

助成金の上限額は、賃金を引き上げた金額や人数によって変動し、設備投資の75〜80%、最大600万円まで支給されます。

 

最近物価が上がっているなかで賃上げを検討している経営者にとっては、メリットを享受しつつ実行できるお得な制度でしょう。

助成金受給のための「3つ」の条件

助成金の利用要件助成金を受けるためには、いくつかの条件をクリアする必要があります。

 

1.中小企業・小規模事業者であること

業種によって条件が異なり、たとえば小売業であれば、資本金または出資金額が5,000万円以下、または常時使用する労働者が50人以下である必要があります。

 

ただし、2025年からは大企業と密接な関係を持つ企業(みなし大企業)は利用できなくなりました。みなし大企業とは、大企業が株式の2分の1以上を保有していたり、役員の2分の1以上が大企業の役員や職員を務めている場合などを指します。

 

2.事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差額が「50円以内」であること

事業場内の最低賃金は職場で最も低い賃金、地域別最低賃金は都道府県単位で定められた最低賃金です。大きな差がある場合は対象外となります。政府としては、なるべく賃金の低い事業者にこの助成金を使ってもらいたいという意向があるようです。

 

3.解雇や賃金引き下げといった「不適切な行為」がないこと

・交付申請書の提出日の前日から起算して6ヵ月前の日から実績報告手続きを行った日の前日

・賃金額を引き上げてから6ヵ月を経過した日

 

上記のいずれか遅い日までのあいだに、解雇や賃金引き下げがあった場合は利用できません。

 

これらの前提条件をクリアしたうえで、事業場内の最低賃金で働く従業員の賃金を一定額以上引き上げれば、助成金の受給要件を満たすことができます。

 

さらに、下記の「特定事業者」の要件を満たすと、上限額や対象経費が拡大されます。

 

賃金要件:事業場内最低賃金が1,000円未満である場合

物価高騰要件:申請前3ヵ月間のうち1ヵ月の利益率が3%以上低下している場合

 

なお、2024年度からは、複数回の賃上げによる複数回申請は対象外となり、1回のみの申請に限定されています。

 

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※本記事は、YouTube『社長の資産防衛チャンネル【税理士&経営者】』より動画を一部抜粋・再編集したものです。

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