相続人11人の遺産、どう分けられる?…保険金の受取人を「相続人」と指定して亡くなった夫→妻は825万円ゲットも、きょうだいは27.5万円ずつ…知らないと損する「死亡保険金」の分配ルール【税理士が解説】

相続人11人の遺産、どう分けられる?…保険金の受取人を「相続人」と指定して亡くなった夫→妻は825万円ゲットも、きょうだいは27.5万円ずつ…知らないと損する「死亡保険金」の分配ルール【税理士が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

身近な人を亡くしたとき、遺族が受け取る死亡保険金には、思いがけず相続税がかかることがあります。「故人が持っていた財産」だけでなく、「みなし相続財産」として扱われる財産があるからです。今回はその「みなし相続財産」のなかでも「死亡保険金」に焦点をあて、相続税の対象になる条件や非課税になる特例、保険料の負担者と受取人によって変わる課税区分などについてみていきましょう。実際の裁判例や法令にもとづき、多田雄司税理士が解説します。

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11人で均等に分けるはずが…最高裁で“逆転”した保険金の「分配」

この裁判例では、被相続人の配偶者と兄弟姉妹10名が相続人となり、死亡保険金を11名でどのように分けるかが争点となりました(平成6年7月18日最高裁判決)。

 

高等裁判所では、民法427条の規定が適用されました。この条文では、「複数の債権者または債務者がいる場合、別段の意思表示がなければ、各人が等しい割合で権利や義務を持つ」とされています。これに基づき、死亡保険金は11名の相続人が均等に受け取るべきだと判断されました。

 

吉田課長「では、最高裁の判断はどうだったのですか?」

 

最高裁は以下のように判示しました。

 

「保険契約者が死亡保険金の受取人を『相続人』と指定した場合、特段の事情がない限り、その指定には、相続人が保険金を相続分に応じて受け取るという意思も含まれていると解するのが妥当である」

 

つまり、保険証書の受取人欄に「相続人」とだけ記載されていた場合は、民法900条の相続割合、この場合は配偶者が4分の3、兄弟姉妹4分の1により保険金を分配することが、民法427条に規定する「別段の意思表示」に当たるとされたのです。

 

仮に死亡保険金が1,100万円だった場合、高等裁判所の判決では11人がそれぞれ100万円ずつ受け取ることになりますが、最高裁の判決では配偶者が825万円を、兄弟姉妹が27.5万円を受け取ることになったということです。均等分配と比べ、配偶者が大きく優遇され、兄弟姉妹の取り分は大きく減る結果となりました。

 

この判例からわかるのは、死亡保険金を特定の人物に確実に渡したい場合は、その人の氏名を受取人欄に明記することが重要だということです。

 

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