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〈登場人物〉
吉田課長:A社で働く課長。3人きょうだい(吉田さん、弟、妹)の長男で、2人の子を持つ。税理士とは業務上のやり取りがある。
相続税における「債務控除」の適用要件
吉田課長「相続のときって、財産だけじゃなく、借金も一緒に引き継ぐんですよね?」
そのとおりです。民法896条本文では、「相続人は、相続開始のときから、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する」と定められています。つまり、被相続人に借入金などの「債務(=借金)」があれば、その返済義務も相続人が引き継ぐということです。
吉田課長「ということは、相続税は、被相続人の財産からその債務を差し引いて計算することになるんでしょうか?」
はい。相続税においても、借入金などは「債務」として扱われます。相続税は、相続財産からこれらの債務を控除した“純財産”に対して課税されます。この差し引く行為のことを、「債務控除」といいます。
吉田課長「でも債務控除って、誰でも適用されるわけではないんですよね。どんな条件があるんでしょうか」
債務控除を行う場合の適用要件は、下記のとおりです。
1.債務控除の適用要件(相続税法13条1項)
次の(1)~(3)の要件を満たすこと。
(1)相続または遺贈により財産を取得した者についての取扱いであること。
(2)上記(1)の遺贈とは、次の①、②の遺贈に限られる。
①包括遺贈
②被相続人から相続人に対して行われた遺贈
(3)上記(1)に該当する者は、日本国内に居住している場合、後述する2.(1)および(2)の金額について、原則としてその全額を債務控除することができる。
※ 相続開始前10年を超えて外国に住んでいる日本人は、相続税の課税対象となる財産が限定されるため、債務控除が認められる債務も限定される。
まずは当然ながら、相続または遺贈によって財産を取得していることが条件です(上記(1))。ただし、遺贈で財産を受け取る場合、債務控除できる受遺者は限られています(上記(2))。
包括遺贈と、被相続人からの相続人に対する遺贈の場合に限り、債務控除が認められます。
