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【遺産分割協議(または遺言による分割)と相続税の関係】
■1.相続税の負担を考慮して遺産分割協議を行う場合
各相続人等は、相続税の負担を考慮したうえで、それぞれが取得する財産や債務を決定することに合意する。具体的には、遺産分割協議書を作成する前に、複数の分割案にもとづいて相続税額の試算を繰り返し行い、最終的な分割内容を決定する。
■2.財産価値の公平性に重点を置いて遺産分割協議を行う場合
財産の分割や債務の負担については、相続人等のあいだでのバランスや公平性に重点を置いて協議を進める。その結果、相続税額が増えることになっても、やむを得ないと考える。
■3.遺言にもとづいて遺産分割を行う場合
相続人等は、被相続人の遺言で指定された財産や債務の金額に従って、相続税額を計算する。
最大1億6,000万円以上が非課税…「配偶者特例」の中身
相続人が故人(被相続人)の配偶者である場合、相続税法では「配偶者に対する相続税額の軽減」という特例が設けられています(前掲⑩)。これは、民法900条に定められた法定相続分または1億6,000万円のいずれか多い金額までの相続について、相続税がかからないという規定です。つまり、たとえ1億6,000万円を超える財産を相続した場合でも、法定相続分の範囲内であれば非課税となります。
吉田課長「法定相続分ってなんですか?」
法定相続分とは、民法で定められた、相続人が財産を相続する割合のことです。相続人が配偶者と子どもの場合は、配偶者が2分の1、子どもたちが残りの2分の1を均等に分けるという割合です。
吉田課長「なるほど。これほど大きく相続税額を軽減する特例なら、積極的に活用したいですね」
はい。そのためにも、できれば遺産分割協議に入る前に、税理士に相続税額の簡易試算を依頼しておくとよいでしょう。
吉田課長「この特例を受けない場合は、相続税額の概算を確認しなくても問題ないですか?」
いえ、特例を活用するか否かにかかわらず、相続税額の概算を確認したうえで遺産分割の協議を行ったほうが、その後の話し合いがスムーズになると思いますよ。こうした進め方が、上記1.「相続税の負担を考慮して遺産分割協議を行う場合」です。
