「小規模宅地等の特例」なら、相続税が“最大80%”減額だが…
吉田課長「たとえば相続人は子ども3人(長男、次男、長女)で、母が亡くなった場合どうなるでしょうか? 母は自宅を所有しています。長女はアパート暮らしで、長男と次男はそれぞれ自宅を所有しています。この場合、母の自宅は誰が相続することになるのでしょうか?」
お母様が自宅(土地、家屋)を所有しているのですね。このようなケースで、仮に長女が自宅を相続して住むことになれば、一定の要件を満たすことで「小規模宅地等の特例(租税特別措置法69条の4)」の適用が可能です。対象面積は330m2までで、評価額が最大80%減額されます。
一方、長男と次男はすでに自宅を所有しているため、この特例の対象にはなりません。
吉田課長「最大80%ですか。長女が自宅を相続すれば、かなりの相続税が減額になりそうですね。地価が高い場所であれば、大きな減額になりますね」
はい。ただし、お母様に自宅以外の高額な相続財産がない場合は、別の問題が生じる可能性があります。
また、小規模宅地等の特例を適用した場合には、長男と次男は預金など限られた資産しか相続できない可能性があります。
節税より、「公平」さを優先したほうがいい場合も
吉田課長「なるほど。相続財産の価値が自宅に偏り過ぎていることに問題があるということでしょうか?」
そのとおりです。このような場合には、相続税を減らすことよりも、自宅を売却して現金化し、3人で公平に分けるほうが望ましいこともあります。これが、前掲2.「財産価値の公平性に重点を置いて遺産分割協議を行う場合」です。
この方法では、相続税額の軽減よりも、相続人間の財産価値のバランスや公平性を重視して分割を進めます。
吉田課長「遺言がのこされている場合、どのように遺産を分割すればよいでしょうか?」
これは、前掲3.「遺言にもとづいて遺産分割を行う場合」にあたります。遺言によって財産の取得者が指定されている場合は、その内容に従って分割を行うことになります。ただし、この場合も相続税の特例を受けられないことがあるため、注意が必要です。
多田 雄司
税理士
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