(※写真はイメージです/PIXTA)

多額の資産を保有する富裕層にとって、相続税や贈与税は、計画的に対策を講じなければ、のこされた家族に想定外の負担がかかることから、いわゆる「節税対策」は喫緊の課題です。しかし、やみくもに対策をとった場合、思わぬリスクを招くことも……。そこで今回は、資産を確実に守るための「資産防衛戦略」について、実践的なポイントとともにみていきましょう。

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「節税」の観点からみるマレーシア移住の魅力

8.資産を海外に移転させるスキーム・海外移住による相続税回避

資産の海外移転や海外移住なども、資産防衛策のひとつではありますが、リスクも少なくありません。

 

とはいえ、富裕層に限らず、日本の年金生活者が海外で暮らす場合、一番人気の高い国として知られているのがマレーシアです。ロングステイ財団が発表した「ロングステイ希望国・地域2023」でも、マレーシアは第1位に選ばれています。

 

季候がいい、物価が安い、住宅が広い、治安がいい、政治が安定している、社会インフラも整っている、災害が少ない……など、さまざまな点で評判が高いようです。

 

また、マレーシアには税制面でも特筆すべき点があります。同国には、日本のような相続税や贈与税、住民税が存在しません。

 

所得税は居住者に対して0%から30%の累進課税が適用されますが、日本よりも税率は低いです。これはマレーシアが資源大国であり、国家運営に必要な財源を資源収入から賄っているためだといわれています。

 

マレーシアに移住して、下記3つの要件を満たせば、相続税をゼロにするのも夢ではありません。

 

イ.日本の非居住者であること。

ロ.相続人・被相続人ともに10年以上海外に住んでいること。

ハ.相続財産が日本国内に存在しないこと。

 

ただし、マレーシアには「プロベート」と呼ばれる遺産分割の手続きがあり、相続人が財産を受け取るには裁判所の手続きを経る必要があります。プロベートが終了するまでには半年から1年程度かかり、時間と費用がかかる点には注意が必要です。

 

資産防衛においては、まずは早期に相続財産を把握し、それにかかる相続税額の概算を確認することが重要です。そのうえで、納税資金の有無(相続税が支払えるかどうか)を判断し、時間をかけて計画的に実行していくことが肝要です。

 

 

八ツ尾 順一

大阪学院大学法学部 教授

 

2028年から株式・投資信託並みの「20%分離課税」へ。
知らずには済まされない「貨幣/純粋資産」としての
「ビットコイン・暗号資産」の現在地

>>>3
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