(※写真はイメージです/PIXTA)

令和7年分の所得税から、いわゆる「1億円の壁」の問題を是正するための新制度が導入されます。所得が増えるほど実効税率が下がってしまう逆転現象に対応するため、基準所得金額から3億3,000万円を控除した額に22.5%の税率をかけ、基準所得税額を上回った場合にはその差額を追加で課税する仕組みです。対象は一部の超高額所得者に限られ、実際の対象者は200~300人程度とみられていますが、税負担の公平性をめぐる議論に一石を投じるものとなりそうです。

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超高額所得者に対する税負担の適正化

令和7年分の所得税から、「1億円の壁」の問題を解決するために、次の措置(「特定の基準所得金額の課税の特例〔措法41の19〕」)が導入されます。この法律は令和5年度税制改正で成立しましたが、適用は令和7年分以後からです。

◆制度の概要

基準所得金額から3億3,000万円を控除した金額に22.5%の税率を乗じ、その金額が基準所得税額を上回る場合には、その超過額に相当する所得税を課す仕組みです。

 

この制度は、高額所得者ほど実効税率が低下し、税負担の公平性が保たれていないという問題を是正するために設けられました。ただし、控除額である3億3,000万円が大きすぎるとの批判もあります。

「1億円の壁」の背景

一般に、所得が1億円を超えると、所得税の負担率が低下する傾向があると指摘されています。主な原因は、超高額所得者では所得全体に占める金融所得の割合が高いためです。

 

財務省の資料(令和4年10月18日・政府税制調査会第19回総会、財務省参考資料「個人所得課税」)によれば、令和2年分における合計所得1億円超の納税者(総額:約5.6兆円)の所得内訳は次のとおりです。

 

非上場株式等の譲渡所得:約1.5兆円(27.4%)

分離長期譲渡所得(土地・家屋):約1.2兆円(21.3%)

上場株式等の譲渡所得:約0.8兆円(14.4%)

 

このように、高所得者ほど株式や不動産の譲渡所得の比重が大きくなります。金融所得は一律20%で課税されるため、給与所得や事業所得(最高税率55%〔地方税含む〕)に比べて税負担が軽くなり、結果的に高額所得者ほど負担率が低下していくのです。

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