金価格は、より高くより長い上昇レジームへ…2025年 年央金市場見通し
(画像はイメージです/PIXTA)
上場投資信託(ETF)投資家からの需要回復ならびに中央銀行とアジアの個人投資家による根強い買いを受け、金価格は初めて1オンス3,000米ドルを突破しました。本記事では、ステート・ストリート・インベストメント・マネジメントが、金価格にはまだ上昇余地があると考える理由について解説します。
金価格の見通し:基本、強気、弱気シナリオ
当社は、金市場はこの先2025年末まで1オンス3,000米ドル超で推移するようになると予想していますが、今後12~24ヵ月では1オンス4,000~5,000米ドルを試す展開となる可能性もあります。
基本シナリオ(確率50%)
3,100~3,500ドル/オンス。米中間を含め、厳しい関税は撤回されました。しかし2025年はこの先も政策をめぐる不透明感や緊張が続きます。米ドルはおおむね底値を付け、リスク・センチメントは安定します。長引くインフレによりFRBの利下げ余地は限定的です。中国の消費者の金需要は第1四半期の底から回復するものの、2023~2024年のピークには届きません。中央銀行の金需要は引き続き旺盛ですが2022~2024年に比べるとやや抑制されています。金ETFへの資金流入は続くものの1~4月のような熱狂的な勢いは収まります。
強気シナリオ(確率30%)
3,500~3,900米ドル/オンス。貿易・関税を巡る緊張はエスカレートし、地経学的秩序の変化を示す明確な兆候が見られ、米国/世界のスタグフレーション・リスク、そして米国ソブリン資産に再投資される米ドルが減少するリスクが高まります。リスクオフ局面は長期化します。中国の消費者の金需要の回復の勢いは一段と増し、中央銀行の金需要は予想を上回り(たとえば1,100~1,200トン超)、金ETFへの資金流入は2009年や2020年に匹敵するペースとなります。
弱気シナリオ(確率20%)
2,700~3,100米ドル/オンス。米中の地経学的関係の緊張が大幅に緩和し問題が半永久的に解決し、米ドルと米国経済の例外主義が復活します。投資家はリスク資産と米国株式を大幅にオーバーウェイトします。ボラティリティはあらゆる資産市場で低下します。自律的成長が回復するなかFRBは政策の据え置きを続けます。中国、中央銀行、金ETFの需要は予想より軟調となります。2,000米ドル台後半では戦略的な金の買い手の押し目買いにより支えられる可能性もありますが、弱気シナリオでは3,000米ドルを割り込む可能性もあります。
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ステート・ストリート・インベストメント・マネジメントは、約半世紀にわたり、機関投資家、金融プロフェッショナル、そして個人投資家に、より良い成果をもたらしてきた。
インデックス運用やETF(上場投資信託)分野における早期からの取り組みを含め、同社の投資手法は、市場に裏付けられた運用ノウハウと、投資家ニーズへの継続的な対応を基盤としている。
2025年6月末時点において、ステート・ストリート・インベストメント・マネジメントが関与する運用資産残高は5兆米ドルを超えており、60カ国以上の顧客に対してサービスを展開している。その中には、グローバル規模での戦略的パートナーシップを通じた提供も含まれ、コスト効率に優れた幅広い投資手段を提供している。ETFの運用資産総額1兆6,898.3億米ドルを含み、そのうち約1,160.5億米ドルは、ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ・ファンズ・ディストリビューターズ・エルエルシー(「SSGA FD」)がマーケティング・エージェントを行っているSPDRの金の資産となっている。SSGA FDはSSGAの関連会社で、すべての運用資産残高は監査前の数値。
なお、ステート・ストリート・インベストメント・マネジメントは、ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ株式会社が行う資産運用関連業務のブランド名である。
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【注釈】
*経済的な混乱時に他の投資の価値が下落しても、価値が安定または上昇すると投資家に認識されている資産は、「セーフヘイブン(安全資産)」と見なされることがあります。ただし、こうした資産が常に価値を維持するという保証はありません。
※1 ミシガン大学調査、2025年4月
※2 ブルームバーグ・ファイナンスL.P., ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ、LBMA、2025年5月
※3 ブルームバーグ・ファイナンスL.P., ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ、2025年5月
※4 ブルームバーグ・ファイナンスL.P., ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ、2025年5月
※5 ワールド・ゴールド・カウンシル、2025年4月
※6 ブルームバーグ・ファイナンスL.P., ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ、2025年5月.
※7 中国海関総署、ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ、2025年4月
※8 LBMA、SGE、2025年5月
※9 国際金融協会、2025年3月31日
※10 米国投資信託協会、2025年5月20日25.
※11 ブルームバーグ・ファイナンスL.P., ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ、2025年5月31日時点
※12 ブルームバーグ・ファイナンスL.P., ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ、2025年5月31日時点
※13 ブルームバーグ・ファイナンスL.P., ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ、2025年5月31日時点
※14 ブルームバーグ・ファイナンスL.P., ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ、2025年5月31日時点
※15 米国議会予算局、ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ、2025年5月31日時点のデータ
※16 米国議会予算局、ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ、2025年5月31日時点のデータ
※17 ワールド・ゴールド・カウンシル、2025年5月
※18 ワールド・ゴールド・カウンシル、2025年5月.
※19 ワールド・ゴールド・カウンシル、ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ、2025年5月
※20 ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ、2025年5月
※21 ワールド・ゴールド・カウンシル、グローバル需給トレンド、2025年5月.
※22 東京証券取引所、2024年12月31日
※23 ワールド・ゴールド・カウンシル、2025年2月
※24 グローバル需給トレンド、ワールド・ゴールド・カウンシル、2024年7月
※25 グローバル需給トレンド、ワールド・ゴールド・カウンシル、2024年7月
※26 グローバル需給トレンド、ワールド・ゴールド・カウンシル、2024年7月
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Exp.Date:6/22/2026