(画像はイメージです/PIXTA)

上場投資信託(ETF)投資家からの需要回復ならびに中央銀行とアジアの個人投資家による根強い買いを受け、金価格は初めて1オンス3,000米ドルを突破しました。本記事では、ステート・ストリート・インベストメント・マネジメントが、金価格にはまだ上昇余地があると考える理由について解説します。

米財政不安が広がるなか、利下げサイクルから政策を慎重に見送る姿勢へと転換

年央時点で、利上げが議論の俎上(そじょう)に載っていないのは明らかですが、積極的な緩和を求める声もありません。FRBは2024年12月以降利下げを実施しておらず、据え置き期間は現在のサイクルで最長となっています。歴史的に見て、金融状況が引き締まりの様相を見せ、成長が停滞し、不透明感が高まるのに伴い、FRBが政策を据え置くなかで金はアウトパフォームしています。

 

過去3回の景気サイクルでは、FRBが利下げサイクル中に政策据え置きを長期化した際、金は一貫してS&P500指数を大幅にアウトパフォームしています(図表4)。

 

[図表4]FRB政策見送り期間中の金とS&P500指数の正規化されたパフォーマンスの比較出所:ブルームバーグ・ファイナンスL.P.,、ステート・ストリート・インベストメン
ト・マネジメント、2025年5月27日時点。注:2002-2003の期間は2002年11月29日
~2003年3月30日。2008の期間は2008年4月3日~2008年9月30日。2019-20020の
期間は2019年10月31日~2020年2月28日。2024-2025の期間は2024年12月31日
~2025年5月27日。日数は月次データ・ポイントの数値を反映しています。S&P500
指数にはS&P500トータルリターン指数を、金のスポット価格のリターンにはXAU
を使用しています。過去のパフォーマンスは将来のパフォーマンスの信頼できる指
標にはなり得ません。

 

2002年後半から2003年半ばにかけて、当時の緩和サイクル中で最も長く政策を据え置いたこの期間に、金価格は13%上昇しましたが、S&P500指数の上昇率は4%でした※11。2008年、桁外れの金融危機の最中、FRBが政策を据え置くなか、金価格は横ばいで推移する一方、S&P500指数は15%下落しました※12。そしてパンデミックの直前、2019年終盤から2020年2月にかけてFRBが政策を据え置くなか、金価格は7%上昇した一方、S&P500指数は2%下落しました※13

 

今年、これらと同様の転換点を迎えています。

 

昨年12月の最後の利下げ以降、金価格は25%上昇しましたが、S&P500指数は横ばいとなっています※14。当初の予想より利下げ回数は少ないものの、政策の基調は依然として利下げ方向にあります。金融環境がいずれ緩和すれば、おそらく金は恩恵を受けるでしょう。現在のFRBの政策据え置きは、投資家にとって、戦略的かつ長期的な金のエクスポージャー積み増しの機会といえるかもしれません。

 

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【注釈】
*経済的な混乱時に他の投資の価値が下落しても、価値が安定または上昇すると投資家に認識されている資産は、「セーフヘイブン(安全資産)」と見なされることがあります。ただし、こうした資産が常に価値を維持するという保証はありません。

※1 ミシガン大学調査、2025年4月
※2 ブルームバーグ・ファイナンスL.P., ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ、LBMA、2025年5月
※3 ブルームバーグ・ファイナンスL.P., ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ、2025年5月
※4 ブルームバーグ・ファイナンスL.P., ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ、2025年5月
※5 ワールド・ゴールド・カウンシル、2025年4月
※6 ブルームバーグ・ファイナンスL.P., ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ、2025年5月.
※7 中国海関総署、ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ、2025年4月
※8 LBMA、SGE、2025年5月
※9 国際金融協会、2025年3月31日
※10 米国投資信託協会、2025年5月20日25.
※11 ブルームバーグ・ファイナンスL.P., ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ、2025年5月31日時点
※12 ブルームバーグ・ファイナンスL.P., ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ、2025年5月31日時点
※13 ブルームバーグ・ファイナンスL.P., ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ、2025年5月31日時点
※14 ブルームバーグ・ファイナンスL.P., ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ、2025年5月31日時点
※15 米国議会予算局、ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ、2025年5月31日時点のデータ
※16 米国議会予算局、ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ、2025年5月31日時点のデータ
※17 ワールド・ゴールド・カウンシル、2025年5月
※18 ワールド・ゴールド・カウンシル、2025年5月.
※19 ワールド・ゴールド・カウンシル、ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ、2025年5月
※20 ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ、2025年5月
※21 ワールド・ゴールド・カウンシル、グローバル需給トレンド、2025年5月.
※22 東京証券取引所、2024年12月31日
※23 ワールド・ゴールド・カウンシル、2025年2月
※24 グローバル需給トレンド、ワールド・ゴールド・カウンシル、2024年7月
※25 グローバル需給トレンド、ワールド・ゴールド・カウンシル、2024年7月
※26 グローバル需給トレンド、ワールド・ゴールド・カウンシル、2024年7月

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