(※画像はイメージです/PIXTA)

株式相場が史上最高値付近で推移し、主要株価指数における銘柄集中度が過去最高水準に達するなか、投資家は、リスク資産の高バリュエーション、株式と債券の高相関、およびテールリスクの増大といった環境に直面しており、「オルタナティブ投資」の重要性が高まっています。本記事では、ステート・ストリート・インベストメント・マネジメントが、インカム・分散投資・成長性の3つの観点から、2026年の「オルタナティブ投資」展望について解説します。

混沌する世界経済のなか高まる「オルタナティブ投資」の重要性

近年、投資家が、株式と債券を6対4の割合で配分する従来型ポートフォリオ(いわゆる“60/40”)の妥当性を再評価するなかで、オルタナティブ資産への関心が高まっています。

 

2022年は、株式と債券が同時に下落した転換点の年となり、分散投資を株式・債券の負の相関のみに依存することのリスクが鮮明となりました。金をはじめとするコモディティ、実物資産およびプライベート市場は、分散投資をより広い視点で捉える投資家の恩恵を受ける資産クラスとなっています。

 

今日のように多様化したマクロ環境下では、オルタナティブ投資の重要性は一段と広がっています。ポートフォリオには、単なるボラティリティだけでなく、相場環境の変化にも耐えうる構造が求められます。

 

投資家は、持続的なインカムを生み出し、真の分散効果を提供し、世界経済の潮流を変える成長テーマへのアクセスを可能にするエクスポージャーを求めています。

 

プライベート・クレジット、実物資産、インフラ、プライベート・エクイティ、厳選されたヘッジファンド戦略など、オルタナティブ資産はこうしたニーズに応える手段を提供します。

銀行の役割を補完する「プライベート・クレジット」

インカムの確保は、依然として投資家にとって主要なテーマです。銀行融資が制約され、公的債券の利回りやスプレッドが低下圧力を受けるなか、プライベート・クレジットは2.8兆ドル規模に成長し、中堅企業の成長資金やM&A取引向けに柔軟な資金調達手段を提供することで、銀行が担えなくなった役割を補完しています。

 

ダイレクト・レンディングやオポチュニスティック戦略は、公的債券と比較して魅力的なトータルリターンを生み出しており、加えてFRBによる追加利下げが見込まれることからも、この資産クラスは堅固な収益源として際立っています。

 

クレジット・サイクルを乗り切り、個別リスクを回避するには、厳格な与信審査とたしかな実績を持つ運用会社を選定することが不可欠です。インカムの創出は実物資産によっても支えられています。

 

インフラ投資と不動産投資も“安心材料”に

インフラ投資には、長期契約、不可欠なサービスの提供および価格決定力が基盤にあり、安定したキャッシュフローをもたらします。AI主導の設備投資拡大はデータセンターなどのデジタルインフラの成長を後押ししており、構造的な需要と高い参入障壁の恩恵を受けています。

 

また、慢性的な住宅不足や手頃な住宅の供給不足が続くなか、多世帯向け(マルチファミリー)住宅用不動産は安定した賃貸収入を生み出すとともに、市場回復に伴う資産価値の上昇も期待できます。これらの投資対象は、利回り向上に寄与するだけでなく、インフレヘッジや市場変動が大きい局面での安定性も提供します。

 

次ページ分散効果を高めるオルタナティブ資産

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過去の運用実績は将来の成果を保証するものではありません。

投資には元本損失のリスクを含むリスクが伴います。

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本資料に記載された見解は、2025年11月30日までのState Street Global Advisorsの見解であり、市場やその他の状況に応じて変更される可能性があります。

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株式証券は、個別企業の活動や市場・経済状況に応じて価値が変動する可能性があります。

大型株企業は、市場や経済状況に応じて人気が変動します。大型企業は、小型企業に比べて一般的にボラティリティが低い傾向がありますが、その代わりに株価の上昇幅は小型企業ほど大きくない場合があります。

小型企業への投資は、大型で知名度の高い企業への投資よりもリスクが高い場合があります。

コモディティ投資には重大なリスクが伴います。コモディティ価格は、幅広い要因により極めて変動しやすくなります。要因には、市場全体の動き、実際または予想されるインフレ傾向、コモディティ指数の変動性、国際的・経済的・政治的変化、金利や為替レートの変動などがあります。

資産配分は、主要な投資カテゴリー間で資産を分散する方法です。資産配分は、リスク管理やリターン向上のために使用される場合がありますが、利益を保証したり損失を防ぐものではありません。

債券は、一般的に株式よりも短期的なリスクやボラティリティが低いですが、金利リスク(通常、金利が上昇すると債券価値や利回りは低下)、発行体のデフォルトリスク、信用リスク、流動性リスク、インフレリスクを含みます。これらの影響は、長期証券でより顕著です。

満期前に売却または償還される固定利付証券は、大幅な利益または損失を被る可能性があります。

実質金利の上昇は、インフレ連動債券の価格を下落させる可能性があります。インフレ連動債券の利息支払いは予測困難です。

実物資産および実物資産セクター(不動産、貴金属、天然資源など)への投資には、これらの産業に関連する出来事によって大きな影響を受けるリスクがあります。

外国籍証券への投資には、通貨価値の不利な変動、源泉徴収税、会計基準の違い、他国の経済的または政治的不安定性による資本損失のリスクが伴う場合があります。新興市場や発展途上市場への投資は、先進国市場への投資よりもボラティリティが高く、流動性が低い場合があり、一般的に多様性や成熟度の低い経済構造や、安定性の低い政治体制へのエクスポージャーを伴う可能性があります。

本資料は、ステート・ストリート・グロ ーバル・アドバイザーズが作成したものをステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ株式会社が和訳したものです。内容については原文が優先されることをご了承下さい。

© 2025 State Street Corporation. All Rights Reserved.
8643634.1.1.APAC.RTL
Exp. Date: 31/12/2026

★1 出所:Preqin。数値はすべて名目値。
*運用資産総額の数値は人民元建てファンドを除く。

★2 出所:State Street Investment Management、World Gold Council(2025年10月17日時点)

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