「人生が変わる気がした」…憧れで選んだ高層階の暮らし
東京都内に住む雄一さん(仮名・41歳)と妻の由香さん(仮名・39歳)は、5年前、都心に近いタワーマンションの高層階を購入しました。
夫婦の世帯年収は約1,200万円。雄一さんはIT企業勤務、由香さんは広告関連会社の正社員です。子どもは当時まだおらず、共働きで収入も安定していました。
「高層階に住めば、毎日が少し特別になると思っていました」
購入した部屋は、駅から徒歩5分の2LDK。住宅ローンはペアローンを利用し、「今の収入なら無理なく返せる」と説明を受けたといいます。
入居直後は、まさに理想通りでした。
夜景を見ながら夕食を取り、休日にはラウンジでコーヒーを飲む。24時間ゴミ出しができ、セキュリティも整っている。友人を招くと、「すごいね」と驚かれることもありました。
「正直、少し誇らしい気持ちもありました」
しかし、暮らしが日常になるにつれ、少しずつ現実が見え始めます。
まず気になったのは、住居費の重さでした。毎月の住宅ローンに加え、管理費、修繕積立金、インターネット利用料、駐車場代。合計すると、住宅関連の固定費は月30万円近くになりました。
「ローン返済額ばかり見ていて、管理費や修繕積立金の上昇まで深く考えていませんでした」
国土交通省『令和5年度マンション総合調査』によると、マンションの管理費や修繕積立金は、建物の規模や築年数、設備内容によって大きく異なり、長期修繕計画に基づく見直しも必要になります。特に共用施設や設備が多いマンションでは、維持管理費が家計に与える影響も無視できません。
さらに、出産後に由香さんが時短勤務となり、世帯収入は減少しました。保育料や子どもの教育費も加わり、以前のような余裕はなくなっていきます。
