財閥と結び付き、強力なコネ入社をした「ホテルオークラ」六代目社長…衝撃!「初めての給与額」

財閥と結び付き、強力なコネ入社をした「ホテルオークラ」六代目社長…衝撃!「初めての給与額」
(※画像はイメージです/PIXTA)

日本のホテル御三家の一角・ホテルオークラ。その歴史を彩ってきた個性豊かなリーダーたちに焦点を当てる。今回紹介するのは、後にホテルオークラの第六代社長を務めた大崎磐夫氏。ノンフィクションライターの永宮和氏の著書『ホテルオークラに思いを託した男たち』(日本能率協会マネジメントセンター)より、名門財閥である大倉家との深い繋がりを背景に入社した大崎磐夫氏の、開業準備期における奮闘を描いた回想録から、その初期のキャリアを紐解いていく。

超強気な室料設定

宴会もやはり、宴会室料の設定をどうするかがカギとなる。料理の内容は希望単価によって自ずと決まってくるが、室料については客室料金と同様に、内装・設備・什器備品の費用や人件費(従業員+配膳業務外注分)を綿密に計算して算出する必要がある。

 

その作業の結果、ホテルオークラの看板宴会場である「平安の間」(970平方メートル)は一日貸し切り料金を140万円に設定することになった。1955年開業の赤坂プリンスホテル旧館(旧李王家邸を活用)の一日全館貸し切り料金(宴会場のみ約650平方メートル)がこのころ80万円だったから、比較するとやはりかなり高い。

 

「こんなに高くては売るに売れない。もう少し下げられないか」設定料金を諮ると、宴会営業担当は気色ばんだ。「宴会ではほかに競争相手はいない。使い方によっていろんな演出が可能になる。それを武器に自信を持って売ってほしい」大崎は施設・設備の優位性を細かく説いて相手を説得した。

 

平安の間は、国際会議にも使用できるよう七カ国語対応の無線通訳設備・体制を敷いたほか、三カ所のせり舞台(昇降装置を備えた舞台)を設けるなどさまざまな演出を可能としていて、たしかにそんな宴会場はほかのどんなホテルにもなかった。その使い方をいろいろと考えて提案すれば、企業の製品発表会や周年パーティーなどは可能性がどんどん広がる。雰囲気も華麗だった。

 

平安の間の両側壁面には、京都西本願寺に伝わる国宝和歌帖「36人家集」をモチーフとした大壁画が掲げられていた。この壁画は喜七郎会長の強い意向で設置が実現したもので、壁面画家の縣治朗が制作した。縣は、喜七郎と親交のあった古絵巻・古筆研究の大家で人間国宝の田中親美(しんび)の後継者である。

 

大崎がいったとおりに、その後の宴会営業は好調がつづいた。しかしその好調ぶりはなにも、最新の施設・設備や営業社員たちの努力によるものだけではなかった。社長である野田岩次郎の存在が大きかった。

 

野田はGHQによる財閥解体の主要業務で辣腕をふるった。解体対象となった財閥企業はGHQの手先になって働く野田たちを最初は白い目でみたが、やがては傘下企業の生き残りに力を貸してくれたことに恩義を感じるようになる。そして高度経済成長期に大きく成長したそうした企業群は、野田が社長を務めるホテルオークラを宴会や接待で使うようになった。

 

野田は長崎市の出身である。長崎は幕末のころからの造船基地であり、三菱造船をはじめ関連企業の拠点が多い。そうした長崎つながりの企業も、東京での宴会開催や宿泊でオークラをよく使ってくれた。

 

【12/18(木) 『モンゴル不動産セミナー』開催】

坪単価70万円は東南アジアの半額!! 都心で600万円台から購入可能な新築マンション

次ページついに開業…従業員がレストランや宴会場の床で毛布をかぶってゴロ寝

本連載は、永宮和氏の著書『ホテルオークラに思いを託した男たち』(日本能率協会マネジメントセンター)から一部を抜粋し、日本のホテル御三家の一角・ホテルオークラの経営について詳しくご紹介します。

ホテルオークラに思いを託した男たち

ホテルオークラに思いを託した男たち

永宮 和

日本能率協会マネジメントセンター

【内容紹介】 大倉喜七郎の生涯と、彼が人生最後の記念碑としてつくりあげたホテルオークラの誕生秘話、そして経営を託された野田岩次郎との二人の約束からはじまる知られざる歴史と、脈々と続く熱き経営への思いがいま明かさ…

カインドネスシリーズを展開するハウスリンクホームの「資料請求」詳細はこちらです
川柳コンテストの詳細はコチラです アパート経営オンラインはこちらです。 富裕層のためのセミナー情報、詳細はこちらです 富裕層のための会員組織「カメハメハ倶楽部」の詳細はこちらです 不動産小口化商品の情報サイト「不動産小口化商品ナビ」はこちらです 特設サイト「社長・院長のためのDXナビ」はこちらです オリックス銀行が展開する不動産投資情報サイト「manabu不動産投資」はこちらです 一人でも多くの読者に学びの場を提供する情報サイト「話題の本.com」はこちらです THE GOLD ONLINEへの広告掲載について、詳細はこちらです

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録