財閥と結び付き、強力なコネ入社をした「ホテルオークラ」六代目社長…衝撃!「初めての給与額」

財閥と結び付き、強力なコネ入社をした「ホテルオークラ」六代目社長…衝撃!「初めての給与額」
(※画像はイメージです/PIXTA)

日本のホテル御三家の一角・ホテルオークラ。その歴史を彩ってきた個性豊かなリーダーたちに焦点を当てる。今回紹介するのは、後にホテルオークラの第六代社長を務めた大崎磐夫氏。ノンフィクションライターの永宮和氏の著書『ホテルオークラに思いを託した男たち』(日本能率協会マネジメントセンター)より、名門財閥である大倉家との深い繋がりを背景に入社した大崎磐夫氏の、開業準備期における奮闘を描いた回想録から、その初期のキャリアを紐解いていく。

大崎磐夫と大倉財閥の縁

大崎の家は、大倉家と近しい。磐夫の父親の大崎新吉は、大倉喜八郎と喜七郎の二代に仕えた番頭で、大倉財閥の入山採炭の会長を務めた。同社は戦中の政府の炭鉱整理方針によって浅野財閥の磐城炭鉱と合併して常磐炭鉱となり、新吉が引きつづいて会長を務めた。

 

そして大成観光では監査役にもなった。息子である大崎磐夫は市ヶ谷近くの4番町の家に生まれ、一橋大学をでるとすぐに父親の常磐炭鉱に入った。田舎道をフランス車ルノーで飛ばして炭鉱事務所に通勤するモダンボーイだったが、このあたりはどこか喜七郎と通じるところがある1)

 

会社で配属されたのは経理部で、採炭の効率最大化を図るための原価計算の専門班に属した。折しも輸入石油が石炭にとって代わろうという時代で、徹底的に収支効率をあげないと事業は成り立たなくなっていた。原価計算専門班はそのために新設されたのだ。

 

入社して7年ほどすると石炭はますます石油に追いやられ、炭鉱事業は急速に斜陽化していく。30歳になっていた大崎はそこで炭鉱に先はないと判断し、父親に転職を相談した。

 

「旧大倉財閥の会社が石油事業に参入する。それから、喜七郎さんが東京でホテル事業に乗りだす。そのどちらかで仕事を世話してやろう」そう父からいわれた大崎は、迷うことなくホテルと決める。そして1960年5月中旬、父親と2人で銀座の大倉本館に喜七郎を訪ねる。頂点に君臨する会長と直に面談するのだから、これほど強力なコネ入社はない。

 

「炭鉱ではどんな仕事をしていたの?」そう問いかける喜七郎に大崎は、経理で原価計算班の主任をしていたと答える。「それはいい。これからのホテルでは君のような原価計算がわかる人材が必要だ」喜七郎からそう告げられて、若者はおおいに恐縮する。

 

昔はコスト意識の微塵もなかった喜七郎が原価計算という言葉を口にするのだから、人生最後の事業によほど慎重になっていたのだろうか。じっさいに完成したホテルの内外装や什器類にかけた費用の膨大さを考えれば、いかにも喜七郎らしい“無邪気”なその場かぎりの言葉だったという気がする。

 

もっとも、それだけ費用を投じて唯一無二に仕上げた空間や備品類が高く評価され、海外のトップビジネスマンや富裕層旅行者の支持を集めたのだから、費用対効果は十分にあったとみるべきだろう。

 

【12/18(木) 『モンゴル不動産セミナー』開催】

坪単価70万円は東南アジアの半額!! 都心で600万円台から購入可能な新築マンション

次ページ「しかるべく決めるから」と期待した給与額

本連載は、永宮和氏の著書『ホテルオークラに思いを託した男たち』(日本能率協会マネジメントセンター)から一部を抜粋し、日本のホテル御三家の一角・ホテルオークラの経営について詳しくご紹介します。

ホテルオークラに思いを託した男たち

ホテルオークラに思いを託した男たち

永宮 和

日本能率協会マネジメントセンター

【内容紹介】 大倉喜七郎の生涯と、彼が人生最後の記念碑としてつくりあげたホテルオークラの誕生秘話、そして経営を託された野田岩次郎との二人の約束からはじまる知られざる歴史と、脈々と続く熱き経営への思いがいま明かさ…

カインドネスシリーズを展開するハウスリンクホームの「資料請求」詳細はこちらです
川柳コンテストの詳細はコチラです アパート経営オンラインはこちらです。 富裕層のためのセミナー情報、詳細はこちらです 富裕層のための会員組織「カメハメハ倶楽部」の詳細はこちらです 不動産小口化商品の情報サイト「不動産小口化商品ナビ」はこちらです 特設サイト「社長・院長のためのDXナビ」はこちらです オリックス銀行が展開する不動産投資情報サイト「manabu不動産投資」はこちらです 一人でも多くの読者に学びの場を提供する情報サイト「話題の本.com」はこちらです THE GOLD ONLINEへの広告掲載について、詳細はこちらです

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録