(※写真はイメージです/PIXTA)

賃貸住宅において、退去者が発生すると必ず関わってくるのが「原状回復」という問題です。クロスやフローリングなどの張替えや、ハウスクリーニング、設備の交換などにはどの程度の費用がかかり、貸主(物件オーナー)と借主(入居者)のどちらが負担すべきなのでしょうか? 本記事では、賃貸物件における原状回復の部位別・費用相場について解説します。

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賃貸物件の部位別「原状回復の費用相場」

原状回復を行うべき主要な部位としては、

 

・壁のクロス張り替え
・床(フローリング・カーペット・クッションフロア)の張り替え
・カビ
・水垢の除去
・畳の表替え
・網戸の張り替え
・ハウスクリーニング

 

などが挙げられます。また、防犯上の観点からドア鍵の交換も求められてきますし、劣化や破損が目立つ場合には便器や洗面台、流し台の交換も必要となってくるでしょう。

 

具体的にどの程度の費用がかかるのについて、それぞれにおける相場をまとめたのが下記の一覧表です。このうち、さまざまな張替えのなかでも特に負担が重いといえるのがフローリングでしょう。

 

フローリングの張替えについては、その傷が生じた原因によって責任の所在が異なってきます。故意ではなかったとしても、借主がつけてしまった傷の修復に関しては、本人(借主)が負担しなければなりません。

 

これに対し、入居前から存在していた傷や経年劣化によって生じた傷に関しては、オーナーが張替え費用を負担することになります。その判断のためにも、入居前の時点で床全体の写真撮影を行って証拠を残しておくことが重要です。

 

なお、クロスについては前述のガイドラインで6年が耐用年数と定められています。それを超える期間にわたって居住して退去した場合には残存価値が1円とみなされ、借主は張替え費用をほとんど負担しなくてすむといわれています。

 

しかしながら、たとえ耐用年数を超えていたとしても、借主の故意もしくは過失によって傷や汚れをつけた場合は、本人(借主)が修繕などにかかる費用を負担すべきケースがあると司法は判断をしています。

 

また、鍵の交換に付いても、借主とオーナーのどちらが負担すべきかが論点となりやすいでしょう。前述したガイドラインでは、ドア鍵の交換費用はオーナーが負担するのが妥当とされています。

 

しかし、法的な拘束力はないうえ、賃貸借契約書において借主が交換費用を負担する旨の特約が盛り込まれているケースが多く、その場合はオーナーが負担しなくてすみます。気になる交換費用は一般的な鍵なら負担はさほど大きくないのですが、防犯性に優れたディンプルキーの場合は2万5,000円程度に達するケースもあります。

 

※一般的なカギのような鍵山がなく、カギの表面に深さや大きさの異なる多数のくぼみ(ディンプル)をつけたカギのこと

 

[図表]原状回復費用の相場 部位別一覧表
[図表]原状回復費用の相場 部位別一覧表出所:筆者作成

 

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本記事は『アパート経営オンライン』内記事を一部抜粋、再編集したものです。

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