(写真はイメージです/PIXTA)

訪日外国人の数が急速に回復し、2024年にはコロナ禍前を上回る水準に達しました。また、訪日客の増加率を上回るペースで消費額も拡大し、1人当たりの支出額も過去最高水準に。円安や低いインフレ率が影響し、日本旅行の「割安感」が消費を後押ししているようです。訪日外国人の動向はどのように変化しているのでしょうか。国籍別の消費パターンとともに、その特徴をみていきましょう。本稿では、ニッセイ基礎研究所の久我尚子氏が詳しく解説します。

モノ消費が旺盛な傾向に

ここで、改めてインバウンド消費全体に大きな影響を与える訪日中国人観光客の消費内訳を見ると、コロナ禍前の2019年には「買い物代」が52.9%と過半数を占めていた[図表9]。

 

(資料)観光庁「インバウンド消費動向調査」より作成
[図表9]訪日中国人観光客の旅行消費額の費目別構成比の推移 (資料)観光庁「インバウンド消費動向調査」より作成

 

2022年以降は調査時期によって「買い物代」の割合にばらつきが見られるが、これは中国政府による日本旅行規制の影響(日本行き海外旅行商品の販売中止措置や年収による観光ビザの発給制限など)によるものと考えられ、従来の訪日客とは異なる属性が見られる時期もあったためである。それでも、「買い物代」は4割前後で推移しており、インバウンド全体と比較するとモノを購入する志向が依然として高い様子がうかがえる。

東南アジアはモノ消費、欧米諸国はコト(サービス)消費

2024年の訪日外国人旅行消費額の内訳を国籍・地域に見ると、アジア諸国ではモノ消費が、欧米諸国ではコト消費が多い傾向が見られる[図表10]。

 

(資料)観光庁「インバウンド消費動向調査」より作成
[図表10]国籍・地域別旅行消費額の費目別構成比 (資料)観光庁「インバウンド消費動向調査」より作成

 

モノ消費の割合が最も高いのは中国(43.0%)で、次いで台湾〈36.6%〉、香港(35.8%)、フィリピン(33.3%)、タイ(31.3%)までが3割台で全体平均を上回っており、いずれも「買い物代」の割合が他の費目を上回って最も高くなっている。

 

一方、コト消費(「宿泊費」「飲食費」「交通費」「娯楽サービス費」)の割合が最も高いのはドイツ(86.6%)で、次いでイタリア(86.6%)、英国(85.3%)、スペインおよびオーストラリア(85.0%)といずれも85%を超えている。なお、コト消費のうち、「宿泊費」の割合はドイツ(45.4%)で高く、「飲食費」は韓国(27.1%)で、「交通費」はスペイン(18.4%)やイタリア(18.2%)で、「娯楽サービス費」はオーストラリア(7.9%)で多い傾向がある。

 

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※本記事記載のデータは各種の情報源からニッセイ基礎研究所が入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本記事は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
※本記事は、ニッセイ基礎研究所が2025年2月6日に公開したレポートを転載したものです。

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