(※写真はイメージです/PIXTA)

大谷翔平選手と真美子夫人が「婚前契約」を結んでいたことが話題になりました。日本ではあまり浸透していませんが、海外では比較的メジャーな契約であり、需要も高まっています。本記事では「婚前契約」の概要とともに、メリットや注意点について川口洸太朗弁護士が解説します。

ゴールドオンライン新書最新刊、Amazonにて好評発売中! 

『司法書士が全部教える 「一人一法人」時代の会社の作り方【基本編】』
加陽麻里布(著)+ゴールドオンライン (編集)

『富裕層が知っておきたい世界の税制【カリブ海、欧州編】』
矢内一好 (著)+ゴールドオンライン (編集)

『司法書士が全部教える 「一人一法人」時代の会社の作り方【実践編】』
加陽麻里布(著)+ゴールドオンライン (編集)

シリーズ既刊本も好評発売中 → 紹介ページはコチラ!

婚前契約は「婚姻生活中」の夫婦間の取り決めも設定できる

結婚する前から別れた場合を想定することに、違和感を覚える人もいるかもしれません。別れる前提の契約を結ぶというのですから、心理的な抵抗感もあるでしょう。実は婚前契約にはもう1つの側面があり、そちらも非常に重要です。それは婚姻生活中の夫婦間の取り決めができるということです。

 

具体的には、家事の分担や子どもが生まれたときにどちらが面倒をみるかなど、夫婦生活を円満に送るために必要なことを決めることができます。極論、婚前契約の中で書いてはいけないことというのは原則存在しません。結婚後の夫婦生活を円満に送るための約束事が互いにあれば、それらを盛り込むことができます。

 

日本では婚前契約というと、離婚ありきの契約というマイナスのイメージが先行しがちです。しかし、実際のところは円満な夫婦生活を送るための前向きな内容を盛り込めるため、結婚するにあたって事前に結んでおくことをおすすめします。

かつて、結婚「後」の契約は意味がなかったが…

婚前契約は結婚「前」に結ぶ契約です。では結婚後に締結する「婚後契約」は可能なのでしょうか? 婚前契約、婚後契約どちらも有効な契約ではあります。しかし、いままでは婚前契約でなければならない理由がありました。

 

以前は民法754条に夫婦間取消権という規定が存在しました。これは、夫婦間の契約の取消権でした。これにより結婚後に夫婦間で交わされた契約に関しては、婚姻期間中はどちらかが嫌だといえば取消が可能だったのです。そのために婚後契約を結んだとしても、無効になってしまう可能性がありました。

 

そもそも、なぜこのような権利が規定されていたのか。これには、日本の慣習が影響しています。日本には「法は家庭に入らず」ということわざがあります。そのため、夫婦間で交わした契約の法的拘束力に関しては、一般のほかのケースに比べて弱いものにしよう、という考え方で設定されていました。

 

このようにいつでも契約を取り消せる夫婦間取消権ですが、そもそも裁判事例の蓄積があまりなかったことや、夫婦関係が円満なうちしか有効でないという曖昧な部分があり、法的な安定性を欠いていました。そういった事情から、改正民法からは夫婦間取消権がなくなっています。

 

そのため現在では、婚前契約を作らなかった夫婦間においても、婚後契約はもっと活用されていくと考えます(※正確には夫婦財産契約の場合には、婚「前」に行う必要があります(民法755条及び民法758条1項))。したがって婚前・婚後、どちらの契約もニーズが上がる可能性は高いのではないでしょうか。

 

【12/18(木) 『モンゴル不動産セミナー』開催】

坪単価70万円は東南アジアの半額!! 都心で600万円台から購入可能な新築マンション

次ページ原則、法律よりも優先される婚前契約
カインドネスシリーズを展開するハウスリンクホームの「資料請求」詳細はこちらです
川柳コンテストの詳細はコチラです アパート経営オンラインはこちらです。 富裕層のためのセミナー情報、詳細はこちらです 富裕層のための会員組織「カメハメハ倶楽部」の詳細はこちらです 不動産小口化商品の情報サイト「不動産小口化商品ナビ」はこちらです 特設サイト「社長・院長のためのDXナビ」はこちらです オリックス銀行が展開する不動産投資情報サイト「manabu不動産投資」はこちらです 一人でも多くの読者に学びの場を提供する情報サイト「話題の本.com」はこちらです THE GOLD ONLINEへの広告掲載について、詳細はこちらです

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録