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矢内一好(著)+ゴールドオンライン(編集)
「否認しているから、示談はよくない」と国選弁護人が…
現在、刑事事件の加害者側として裁判中の相談者。その事件は故意があったものではなく、未遂で終わり、被害金額などは発生していません。とはいえ、被害者の方に不安や恐怖を与えてしまったのは事実であるため、相談者は謝罪文を書き、迷惑料を支払いたいと考えています。
そこで国選弁護人に相談したところ、「否認しているので、示談はかえってよくない」と言われてしまいました。
相談者としては、無罪を主張したいものの、迷惑をかけたことは事実であるため、できれば謝罪したいと考えています。
そこで、ココナラ法律相談「法律Q&A」に次の2点について相談しました。
(1)否認事件であっても、示談交渉は可能か。謝罪文の内容や謝罪の仕方について注意すべき点はあるのか。
(2)仮に示談交渉をして、被害者の気分を害してしまった場合、量刑が重くなる可能性はあるのか。
否認事件であっても、示談交渉自体はできる
(1)否認事件でも示談交渉はできるのか/謝罪のポイント
まず、否認している事件であっても、示談交渉を行うこと自体は可能です。ただし、その進め方には少し注意が必要です。
否認事件では、「疑われることはしていない」という立場にあるため、単純に謝罪をしてしまうと、事実を認めたと受け取られてしまうおそれがあります。
そこで実務では、次のように考えます。
●「不快な思いをさせてしまったこと」へのお詫び
●「トラブルになってしまったこと」への反省
●具体的な事実関係については争う姿勢を保つ
このように、気持ちへの配慮と事実関係の問題を分けて表現することが大切です。
謝罪文の書き方ひとつで評価が変わることもあるため、安心して進めるためには、弁護士に相談しながら対応するのが望ましいでしょう。
(2)示談交渉で被害者の気分を害すると不利になるのか
示談交渉の進め方によっては、被害者の方の感情に影響する可能性はあります。ただし、示談が成立しなかったからといって、それだけで不利になるわけではありません。
注意が必要なのは、例えば次のような場合です。
●強引な交渉や一方的な連絡
●責任を押し付けるような言い方
●相手の意思を無視した接触
こうした対応は、かえって印象を悪くしてしまい、結果として処罰感情が強くなる可能性があります。
一方で、弁護士を通じて適切な方法で丁寧に行われた交渉であれば、たとえ成立しなくてもマイナスに評価されることは通常ありません。
被害者の方の感情にも配慮したうえで、慎重に交渉を進めていくことが大切です。


