■築40年の木造アパートを売却したら、突然「税務署」から“お尋ね”が届いたワケ【税理士が解説】
一棟アパートの価格を考える「3つのポイント」
1.2024年問題による人件費の高騰
2019年に「働き方関連法(正式名称:働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律)」が施行され、時間外労働の上限規制が始まりました。
これまで建設業は対象外とされていましたが2024年4月からは、建設業に従事する労働者にも時間外労働の上限規制が適用になります。これによって人手不足に陥る業者が増えるとされています。
そのため人件費は高騰し、工期も長くなる可能性があります。これらが物件価格の上昇に直結するのは想像に難くありません。
2.マイナス金利政策の解除
2024年3月に日本銀行がマイナス金利政策の解除を発表しました。これにより長年続いてきた日本の低金利が終わり、上昇に転じるのではないかと思いがちですが、「緩和的な環境が継続される」と日本銀行は強調しています。
大手銀行が短期プライムレートを見直さない方針を打ち出すなど、ローン金利がいますぐに上昇することはなさそうです。低金利を背景にレバレッジを利かせる不動産投資家には有利な環境が続くことになります。
3.円安による海外投資家の参入
日本国内の不動産に投資する外国人がこの10年で急増しています。有名なところでは北海道のニセコがあります。
特にこの数年は著しい円安であるため、物件購入がしやすい環境にあります。日本以外に在住する外国人は日本国内の金融機関でローンを組むことが難しいため、多くは現金購入です。本来は大型の物件への投資にも興味があるところですが、現金購入となると小中規模の物件への投資がメインになります。
そこで選ばれるのが区分マンション、そして一棟アパートなのです。
円安での購入は高い利回りに繋がるため、キャピタルゲイン(売買差益)を目的にするよりも、キャッシュフローを得るほうがメインの目的になります。
依然として円安と低金利が継続しているため、今後も当面は一棟アパート価格の高騰は続くと想像できます。