今回は、銀行との「交渉」で金利の引き下げに成功した事例について見ていきます。※本連載では、現場での実務経験豊富な経営コンサルタントである著者が、銀行交渉の成功事例、融資を受けるために知っておきたい銀行の内部事情などを紹介します。

1%以上の引き下げに成功した短期借入の金利

ある企業の経理担当役員から、「金利1.5%だったのが、0.5%以下になりました!」と、うれしい声を聞かせていただきました。

 

自己資本比率は15%以下と、決して高い数字ではありません。それでも、0.5%以下という金利で通ったのです。

 

今回金利が下がったのは短期借入のもので、これまで、当たり前のように同じ金利で転がしていました。要は、特に金利交渉をしていなかったのです。それに、経理担当者には、「無茶な要求をして貸してもらえなかったらどうしよう」との、誤った思いがどこかにあるのです。

借入額は2億円、1%下がれば200万円のプラスに

そんなことはない、ということをわかってもらい、ようやく銀行担当者を呼び、金利交渉をすることとなりました。「他行からの話もあるので、金利を比較させてもらいます」と話しを切り出して交渉した結果、0.5%以下、となったのです。結局、銀行は借りてくれなきゃ困るのです。

 

その借入額は2億、ということなので、1%下がれば、200万円のプラスです。金利交渉は、その成果がそのまま、経常利益にオンされます。ここがスゴイところです。

 

「間接部門は俺たちの生み出した利益をくいつぶしてばかりいる!」と叫ぶようなライン部門の者には、簡単にできない業績効果を、一瞬にして生み出すことができるのです。間接部門も業績貢献できるのです。その最たるものが、金利交渉なのです。

 

その企業では、まだ他に借入金があります。しかし、今回の件で担当役員は自信を得て、次なる金利交渉に進んでいます。きっと今後も成果を上げてくれるものと楽しみにしながら、支援をさせていただいております。

本連載は、株式会社アイ・シー・オーコンサルティングの代表取締役・古山喜章氏のブログ『ICO 経営道場』から抜粋・再編集したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。ブログはこちらから⇒http://icoconsul.cocolog-nifty.com/blog/

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