(※写真はイメージです/PIXTA)

エリートと呼ばれるほど収入が十分にあり、堅実な返済比率に収めた場合であっても、住宅ローンの審査に通らないケースがあります。それはいったいどのような場合に起こりえるのか、具体的な事例をもとに、その理由とマイホームの購入が起因して起こる「老後破綻の落とし穴」をみていきましょう。

「返済比率19.3%」…理想の住宅を見つけたA夫婦

39歳のAさんは、3歳年下の専業主婦Bさんと家賃20万円の賃貸マンションに暮らしています。

 

Aさんは都内のコンサルティング会社に勤務しており、年収は1,500万円と、いわゆる“エリート”です。結婚前は妻のBさんも働いていましたが、激務の夫を支えながら子どもを育てるために専業主婦となりました。なお、2人にはひとり息子のCくんがいます。

 

夫婦は、Cくんが来年小学生になるというタイミングで、マイホームを購入することに。妻のBさんは「せっかくなら都心のタワマンに住みたい」と提案しましたが、堅実なAさんはこれをやんわり拒否。妻を説得し、「返済比率20%以下」の物件を探すことにしました。

※ 返済比率……年収に占める年間返済額の割合のことで、住宅ローンを返済するときの目安となる。金融機関はその基準比率を公開していないが、おおよそ「35%」までなら融資を受けられる。ただし、滞りなく完済できる比率は「20%以下」といわれている。

 

都心では厳しかったものの、最終的には理想的な新築分譲マンションを見つけました。返済比率は19.3%です。早速メインバンクのD銀行に、下記のような内容で住宅ローンの仮審査を申し込みました。

 

■物件価格……9,200万円

■融資希望額……8,200万円

■住宅ローン仮審査の申込内容

・借入額……8,200万円

・変動金利(返済当初5年間の金利)……年0.4%

・返済期間……30年間

・毎月の返済額(返済当初5年間)……24万1,756円

頭金1,000万円と諸費用はすべてAさんの貯蓄から支払う。

年収1,500万円なのになぜ?…ローン審査の結果は「謝絶」

仮審査を申し込んだ翌日、D銀行からAさんに連絡がありました。

 

「はいはい」と上機嫌で電話に出たAさんでしたが、“まさかの内容”に動揺が隠せません。なんと、住宅ローン審査が謝絶されたというのです。

 

Aさん「えっ……いやいや、なにかの間違いじゃないですか? 理由を聞かなければ納得できません!」

 

すると電話口の担当者は、遠回しに思わぬことを口にしました。

 

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※プライバシー保護の観点から、登場人物の情報を一部変更しています。

〈参考・出典〉
・厚生労働省「出産費用の見える化等について」(https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001143706.pdf)

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