サラリーマンであれば、いずれ迎える定年。そのまま会社に勤めようが、辞めようが、ひとつの区切りとして考える人が多いようです。一方で、夫婦や家族の関係もひと区切り……ということも珍しくないようです。
バカなことをしたもんだ…〈退職金3,600万円・貯金4,000万円・年金想定月19万円〉60歳で独立を決意したサラリーマン。幸せなセカンドライフが一転「家族離散」、ひとりコンビニ弁当を食らう寂しい日々 (※写真はイメージです/PIXTA)

定年を機に独立…フリーのコンサルタントに転身

村上修さん(仮名・63歳)。家族は5歳年下の妻と、すでに結婚し、独立した子どもが2人。60歳で定年を迎えましたが、同年代の多くは再雇用を希望し、そのまま働き続けていますが、村上さんは他の人とは違う選択をしました。

 

――仕事を辞めるつもりはありませんが、もう40年近くも同じ会社で働いているので、ここいらでリセットしたかったんですよね

 

定年を機に手にした退職金は3,600万円。同年代の平均からすると、ずいぶんと高額の退職金を手にすることができた村上さん。ほかに貯金や投資信託などの金融資産だけで4,000万円近くあります。また59歳の誕生月に受け取った「ねんきん定期便」「では、65歳から月19万円程度の年金が受け取れると記してありました。

 

――十分な退職金や資産もあるし、将来、年金もそれなりにもらえそう。それであればリセットして負うリスクをカバーできるだろうと考えたんです

 

始めたのは、これまでの経験を活かしたコンサル業。フリーのコンサルタントという立場で「とりあえず、やってみよう」と走り出しました。もうひとつ、フリーのコンサルになったのは場所に縛られない働き方ができるから。

 

――わたしの上司だった人が、同じようにフリーのコンサルタントとして活躍しています。しかも現在住んでいるのは、東南アジア。基本的に仕事はリモートで、どうしてもリアルで会う必要があるなら帰国すればいい……というスタンスです。実際、独立してから5年、帰国を迫られたことはないといいます

 

【シニアの独立・業種は?】

・人材…24.4%

・コンサルティング…22.2%

・教育…15.6%

・IT/通信…8.9%

・小売り…4.4%

※出所:株式会社 BEYOND AGE『シニアの独立に関する意識調査』

 

そんな上司への憧れもあり、定年を機に独立することにした村上さん。場所にも縛られない働き方、ということで、もし東京を離れて暮らせるならと奥さんと夢を語っていた際に出てきた沖縄に新居を構えようとしていました。

 

――仮でおさえている平屋があって、妻とふたり暮らしであれば十分な広さ。最近は沖縄の不動産は好調だというので、投資の意味も込めて購入してもいいと思っています