今週も「米ドル高・円安傾向」継続か
そんな米金利上昇は、米インフレ・ピークアウトの見方が広がるなかで一巡し、2022年11月以降米金利は大きく低下に向かいました。
「日本の金利は米金利で決まる」という観点からすると、米金利が低下に転じたことにより、日本の金利もどこまで上がるか分からないといった状況は変わった可能性があるでしょう。
日銀は2022年12月に、10年債利回りの上限を0.5%に拡大しましたが、これは米金利状況が変わった影響も大きかったのではないでしょうか。
以上見てきたように、日銀は米金利上昇が加速に向かうと日本の金利に上限を設定し、米金利が低下に転じると上限の緩和を決めました。
10日の金融政策決定会合は、米金利上昇が再燃したなかで迎えることになります(図表6参照)。
これまで見てきた米金利との関係から考えると、上限の再拡大は見送られる可能性が高いのではないでしょうか。
以上を踏まえると、雇用統計など米経済指標発表や日銀の金融政策などの注意点はあるものの、基本的に米ドル高・円安傾向は今週も続く可能性が高いと考えています。今週の米ドル/円の予想レンジは134~138円中心で想定したいと思います。
吉田 恒
マネックス証券
チーフ・FXコンサルタント兼マネックス・ユニバーシティFX学長
※本連載に記載された情報に関しては万全を期していますが、内容を保証するものではありません。また、本連載の内容は筆者の個人的な見解を示したものであり、筆者が所属する機関、組織、グループ等の意見を反映したものではありません。本連載の情報を利用した結果による損害、損失についても、筆者ならびに本連載制作関係者は一切の責任を負いません。投資の判断はご自身の責任でお願いいたします。
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」
■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ
■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】
■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】