(※画像はイメージです/PIXTA)

マネックス証券・チーフFXコンサルタントの吉田恒氏は、足元の為替相場について「基本的に米ドル高・円安がメインシナリオ」とみています。しかし、黒田総裁が最後の出席となる、10日の「日銀金融政策会合」次第では、見通しの大幅な修正を迫られるかもしれないと警告します。為替相場のメインシナリオを揺るがす「黒田リスク」について、みていきましょう。

「3月FX投資戦略」のポイント

〈ポイント〉

・「米金利上昇=米ドル高」が続き、先週も米ドルは年初来高値を更新、一時は137円台に乗せた

・今週は10日の米2月雇用統計発表など米経済指標発表と、同じく10日の日銀金融政策決定会合などが要注意だが、基本的には米ドル高・円安が続くと予想

・米ドル/円の予想レンジは134~138円中心で想定

「米金利上昇=米ドル高」が続く

先週の米ドル/円は上昇傾向が続き、年初来の米ドル高値を更新、一時137円台に乗せました。ところでこのような動きは、基本的に米金利上昇に沿って展開したものでした。

 

米金融政策を反映する米2年債利回りは、2022年10月に記録したこの間の高値を更新し、5%の大台に迫る動きとなりました。そんな米金利上昇に連れる形で米ドル高・円安が展開したといって良いでしょう(図表1参照)。

 

出所:リフィニティブ社データよりマネックス証券が作成
[図表1]米ドル/円と米2年債利回り(2023年1月~) 出所:リフィニティブ社データよりマネックス証券が作成

 

このような「米金利上昇=米ドル高」の関係がこの先も続くなら、米ドル高の行方は米金利上昇次第ということになります。

 

その米金利、たとえば米2年債利回りは基本的に米国の政策金利であるFFレートを先取りして動きます。そのFFレートについて、金利市場では6月以降にかけて5.5%以上に引き上げられるとの見通しが基本になってきました(図表2参照)。

 

出所:リフィニティブ社データよりマネックス証券が作成
[図表2]米2年債とFFレート(2018年~) 出所:リフィニティブ社データよりマネックス証券が作成

 

そうであれば、米2年債利回りも6月以降にかけて5.5%以上に一段と上昇する見通しになるでしょう。そんな米2年債利回りの見通しを前提にするなら、米ドル/円も上昇が続き、140円の大台も大きく超えていく可能性すらありそうです(図表3参照)。

 

出所:リフィニティブ社データよりマネックス証券が作成
[図表3]米ドル/円と米2年債利回り(2023年1月~) 出所:リフィニティブ社データよりマネックス証券が作成

 

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