(※写真はイメージです/PIXTA)

70代、80代と年齢を重ねれば、誰でも「無病息災」というわけにはいきません。病、ケガ、体の不調とどう折り合って、克服していくかが70代、80代を上機嫌で生きていくためのテーマとなります。老人医療に詳しい精神科医の和田秀樹氏が著書『70歳からの老けない生き方』(リベラル社)で解説します。

高齢者は病、ケガ、体の不調とどう折り合うか

■アンチエイジング対策としてのサプリメント効果

 

ところで、70代、80代の多くがさまざまな欲求が減少する中にあって、私が注目している方がいます。プロスキーヤーの三浦雄一郎さんです。直接お会いしたことはありませんが、各種のメディアが伝える三浦さんの生き方は70代、80代の方々のお手本といっていいでしょう。

 

三浦さんは、古くはスピードを競うスキーの「イタリア・キロメーターランセ」で当時の世界記録を塗り替えたり、富士山からのスキー直滑降から始まってエベレストや南米大陸最高峰アコンカグアまで、世界七大陸最高峰全峰からの滑降を成し遂げたりしました。

 

ちなみに、1964年イタリアで開催された「イタリア・キロメーターランセ」では、時速172.084キロという世界記録を打ち立てましたが、転倒も経験しています。転倒の際、起き上がった三浦さんを見て「He is still alive(彼はまだ生きている)」と観客が驚嘆したというエピソードがあります。そのため「世界で最も速い速度で転倒して無傷で生還する」という記録も打ち立てました。

 

1932年生まれですが、いまも健在でさらなるチャレンジのために体を鍛えておられます。当然、食も肉食中心で世の同世代が舌を巻くほど旺盛のようです。

 

しかし、「鉄人」のようなイメージを多くの人が抱くかもしれませんが、これまでにさまざまなケガ、病気を経験しています。近年も特発性頸髄硬膜外血腫を患い、闘病生活も送っていました。

 

三浦さんがあるメディアのインタビューで素晴らしい言葉を残しています。

 

「治る楽しみが病気にはある」

 

70代、80代と年齢を重ねれば、誰でも「無病息災」というわけにはいきません。病、ケガ、体の不調とどう折り合って、克服していくかが70代、80代を上機嫌で生きていくためのテーマとなります。三浦さんの覚悟は多くの同世代に勇気を与えるものだと言っていいでしょう。

 

■三浦雄一郎さんのチャレンジ精神の源

 

その三浦さんは、テレビコマーシャルにも出演しているように、健康維持、そして筋力維持、増強のためにサプリメントを愛用しているようです。

 

私は、20年くらい前から「和田秀樹こころと体のクリニック」という自費診療のクリニックを経営していますが、そこでは、アンチエイジングや各種症状の対策として、それぞれの患者さんにあったサプリメントを提供しています。

 

私自身も愛用者で、しばしば「いつまでも若い」と周りからも言葉をかけられますが、アンチエイジングの効果を実感しています。

 

私とサプリメントの出会いは香港です。20年ほど前にアンチエイジングの権威であるクロード・ショーシャ氏と知り合ったことがきっかけです。ショーシャ氏は、かつてダイアナ妃のアンチエイジングの主治医を務めたほか、パリと香港で名だたるセレブのアンチエイジングを行っている人です。

 

その後、彼の著作の日本での出版を手伝ったこともあり、香港にあるクリニックの研修を受けさせてもらいました。そして、そのノウハウを導入して一種のフランチャイズのような形でショーシャ方式のアンチエイジングのオフィスを私は立ち上げました。それが「和田秀樹こころと体のクリニック」です。もちろん自分でも実践し、サプリメントを飲み続けています。

 

(出典)和田秀樹著『70歳からの老けない生き方』(リベラル社)より。
(出典)和田秀樹著『70歳からの老けない生き方』(リベラル社)より。

 

表の薬剤は、尿検査の結果、私に必要とされたサプリメントです。ご参考に一覧にして載せておきます。

 

日本の従来の医療施設とは比較にならないほど長時間をかけてのカウンセリング、患者さんそれぞれに合わせたサプリメントの処方など、独自のクリニックです。ただ、自由診療であること、経営者としての私のスキルの問題もあってか、大盛況とまでは言えません。世界中のショーシャ方式のクリニックの中で一番売り上げが少ないと言われました。

 

話が少しわき道に逸れてしまいましたが、筋力の衰えを予防し、健康寿命を長く維持するために食生活の見直し、運動とは別に、各種のサプリメントの利用も考えてみてはいかがでしょうか。信頼のおける医師に相談してみてください。

 

和田 秀樹
ルネクリニック東京院 院長

 

 

※本連載は和田秀樹氏の著書『「65歳の壁」を乗り越える最高の時間の使い方』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋し、再編集したものです。

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