(※写真はイメージです/PIXTA)

一社員とは異なり、取締役は多くの権限を持つ一方で大きな責任も背負っています。任期途中で辞任するとなると、ステークホルダー等からの厳しい追及も想定しておく必要があります。実際にココナラ法律相談のオンライン無料法律相談サービス「法律Q&A」によせられた質問をもとに、取締役の任期途中の辞任について、岡部宗茂弁護士に解説していただきました。

任期途中だが、法的リスク最小限に取締役を辞任したい

相談者の炭治郎さん(男性・仮名)は、上場企業の連結子会社で取締役をしています。子会社に出向し、取締役に就任。従業員兼務ではなく、取締役です。子会社とは役員委任契約を締結。子会社は取締役会を設置しています。

 

先日、炭治郎さんは体調不良になり、医師の診断を受けました。その結果、休職を勧告されてしまいました。仕事を続けながら治療をしていく事は難しい状態で、炭治郎さんとしては、「健康を取り戻すことが最優先」とし、任期中ですが辞任を考えています。

 

そこで、その旨を子会社の代表と親会社の代表それぞれに相談。子会社の代表とは特に問題ありませんでしたが、親会社の代表からは「このまま辞任したら負債をどうするのか?最悪、株主代表訴訟になってしまうぞ」とまで言われ、辞任は難しそうな雲行きです。

 

診断結果はセンシティブ(精神的)な理由であり、炭治郎さんは辞任相談時には診断書やその詳細までは伝えませんでした。また、役員委任契約書には、「年度の途中において、自己都合により職務を放棄しないこと」と明記されています。

 

責任を感じつつも、八方塞がりの状態に炭治郎さんはどう対処すべきか困惑しています。

 

そこで、ココナラ法律相談「法律Q&A」に次の3点について相談しました。

 

(1)医師からの診断書と辞任届を提出すれば辞任はできるのか。

(2)退職ではなく、休職という形で対応される可能性はあるのか。役員は一般社員と異なり、休職はなく、例えば役員報酬をゼロにして辞任を認められることになるのか。あるいは望んではいないが、役員を辞任し一般社員として再雇用され休職扱いにされるようなことはあり得るのか。

(3)(2)のような可能性がある場合、どんな対応を取るのが最善か。

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