こんなことになって恥ずかしい…救急車搬送もゴネる〈87歳独り身の叔母〉。後日、62歳甥が自宅に駆け付けて目にした「まさかの光景」とは?【相続の専門家が解説】

こんなことになって恥ずかしい…救急車搬送もゴネる〈87歳独り身の叔母〉。後日、62歳甥が自宅に駆け付けて目にした「まさかの光景」とは?【相続の専門家が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

住み慣れた自宅でいつまでも過ごしたいと思う人は多数います。しかし、年齢を重ねることでトラブルは起きやすく、一人で暮らしていると周りに気づかれにくいことも…相続実務士である曽根惠子氏(株式会社夢相続代表取締役)が事例をまじえて、最期まで自宅で生活する際に生じる課題と対策案について解説します。

ハキハキと話す80代の叔母

おひとりさま、一人暮らしの悦子さん(87歳・女性)と甥の浩さん(62歳)が2人で相談に来られました。悦子さんは誕生日が来ると88歳ということですが、はきはき話されるし、明るく楽しい方です。

 

悦子さんは、3人きょうだいの末っ子。長女が浩さんの母親、長男、次女の順です。浩さんの母親はすでに95歳。まだ健在ながら自宅での生活はできなくなり、近くの老人ホームに入所しています。

 

悦子さんは大学を出てから仕事が決まり、通いやすいところで一人暮らしを始めました。公務員として安定した職場だったということで、定年まで勤めたといいます。来られたときにはお元気そうに見えた悦子さんですが、浩さんが言うには3か月前には警察や救急車を呼ぶ事態となり、大変なことがあったといいます。

 

待ち合わせに来ない…警察を呼ぶことに

浩さんは一人暮らしの悦子さんの通院に付き添うようにしていました。80代になりひとりで電車やタクシーでの移動に不安があるということで、定期的に悦子さんのサポートをしています。

 

3か月前も悦子さんと携帯で連絡をして待ち合わせ場所を決めて病院に行く約束をしていたのです。待ち合わせ場所にいつもは元気に歩いて来る悦子さんなのに、待ち合わせ時間になっても現れない。忘れているのかと思い、携帯や家に電話してみるものの電話に出ないのです。

 

真夏のことなので、暑い中、行き倒れてはいやしないかと心配になり、浩さんは悦子さんの住むマンションまで行き、呼び鈴を押しても、再び電話してみても応答なし。

 

郵便受けを見ると前日の夕刊がささったまま。浩さんは悦子さんのマンションの鍵を持っていないし、さすがに心配になり、管理人と相談して警察を呼ぶことにしたのです。

 

救急隊員がベランダから室内へ

程なくパトカー1台と救急車1台が到着。悦子さんの部屋はマンションの中層階ということもあり、消防車、梯子車も到着。まわりは騒然とした雰囲気になりました。鍵を壊して入るのかと思いきや、さすが百戦錬磨のプロ、それは最後の手段らしく、まずは同じ階の住宅を軒並みあたり、在宅の家にお願いして中を通らせてもらって、ベランダの非常隔壁を外しながらベランダ伝いに悦子さんの部屋のベランダに到達。

 

すると、日頃からの自然志向でエアコンを設置していない悦子さんの部屋のベランダの掃き出し窓は開いていたのです。そして、救急隊員は窓際にへたり込んでいた悦子さんを発見。前日からそこで動けなくなっていたようです。悦子さんの意識は混濁していたものの、応答はできる状態でした。

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