(※写真はイメージです/PIXTA)

本記事では「富裕層の海外資産と税務調査」について解説します。国税庁の富裕層に対する引き締めはいまにはじまったことではないですが、引き続き富裕層をターゲットにした税制改正が矢継ぎ早に発表されており、今後も国税庁の富裕層包囲網は継続されるようです。2021事務年度の所得税などの調査結果が国税庁より発表されました。その調査結果から、国税庁の富裕層に対する調査傾向が見えてきます。

税理士に確定申告を頼んでいるのに、なぜ追徴課税?

とはいえ、海外資産は決して厄介者ではありません。日本国内の投資商品や投資対象よりも間違いなくパフォーマンスが高いからです。

 

このボーダレスとグローバルがすすむ世界で、海外資産を所有しないという選択肢はあり得ません。それでも、海外資産が増えれば増えるほど国税庁からの税務調査や追徴課税のリスクが高まってしまうというのが現状です。

 

追徴課税を回避する対策は、税法通りに確定申告をするしかありません。ルール通りであれば税務調査が入ったとしても追徴課税が課せられることはありません。

 

富裕層の方であれば当たり前のように顧問税理士を抱え、海外資産のコンサルタントを抱えているでしょう。富裕層は確定申告のほとんどをこのような専門士業に任せているケースがほとんどです。

 

それなのに追徴課税が大量に課されてしまっていることから、海外資産になった途端に税理士を中心とした士業が頼りなく、依頼人を守るための士業が依頼人を守り切れていないのだと、この国税庁の発表でわかります。

専門士業、コンサルティングのしっかりとした精査を!

日本人は専門士業を「先生」と呼び、何でも知っていると思いがちで崇める傾向にありますが、専門士業といえどもすべてを知っているわけではありません。日本の国家資格が裏付ける権威と知識を持つのはもちろんですが、それでも国税庁に申告所得漏れを指摘される富裕層がこんなにもいるということは、専門士業でも完璧ではないということです。

 

また、海外の金融商品や現物資産のコンサルティングを名乗る会社であっても、税務について精通しているところは限られます。真に受けてはいけません。

 

今後間違いなく「国外財産」に関する税務調査は増え続け、海外資産が目の敵にされます。これから投資を続けていくのであれば海外資産への投資には積極的になるべきですが、守りを固めるという意味でもご自身で専門士業やコンサルティング会社を精査、選択していかなければなりません。

 

ときにはセカンドオピニオンも必要でしょうし、複数の専門士業に相談する必要があるかもしれません。税務調査を怖がって海外資産に投資をしないというのは本末転倒なので、攻めも守りも固めたうえでの資産形成をしていきましょう。

 

 

村上 年範

クレディ・テック株式会社 代表取締役

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